ラーマガ限定「NAKED」#036
麺劇場玄瑛 六本木『山椒薫るかけラーメン』
ラーマガと人気ラーメン店によるコラボレーション企画「NAKED」。毎月1軒の人気ラーメン店がラーマガ限定ラーメンの「かけラーメン」を創作します。ラーメンの根幹ともいえる「麺」と「スープ」だけで食べさせる、作り手の技術と食べ手の味覚に挑むような究極の限定ラーメン。
第36作目は六本木の人気店『麺劇場玄瑛 六本木』が登場!店主の入江瑛起さんが創り出した一杯は、動物系不使用のスープにイベリコ豚ベジョータの油を合わせた旨味あふれるNAKED。山椒のアクセントによって味が劇的に変化する、重層的な一杯が完成しました。
山路力也
いつかはお願いしようと思っていた玄瑛。企画する立場としてはもちろんのことだが、開業以来、麺、スープ、食材に対して飽くなき探究心を持ち、己の哲学を貫き続けてきた入江さんが作るNAKEDを、一食べ手としても食べてみたかったという気持ちが大きい。
まず注文を受けてからフライパンで油を熱して唐辛子やニンニクを炒め始めるところから、店内に食欲をそそる香りが立ちこめるのがいい。しかもその油はイベリコベジョータの脂身を炒めて作るもの。油の香りがこんなにも深いとは。いわゆるアーリオオーリオの製法だが、この油が醤油ダレと合わせられることでラーメンになってくるのだ。ベースのスープは焼きアゴ、カツオ、シジミ、昆布と動物系不使用。つまり動物系の旨味はイベリコ油だけなのだ。それなのに物足りなさを感じさせない設計は、全体のバランスを俯瞰出来る入江さんの真骨頂。
自家製の麺は驚くほどに加水率が高く、それだからこそ茹で伸びもほとんどしない。最初はそっと油とスープを口に入れ、ゆっくり静かに麺を引き上げてその香りと深い味わいを楽しむ。するとだんだん口の中に心地よい痺れが現れる。味変の具材などを使わずして徐々に山椒を効かせてくる入江マジックがお見事。山椒が効いてきてもイベリコの旨味が強いので決して負けてこない。いやいや、さすがというか全面降伏の完璧なNAKEDであった。
山本剛志
独創的なラーメンで人気の六本木「玄瑛」。NAKEDでも他にない、独自の一杯を作ってくれた。スープは焼きアゴ、しじみ、昆布、鰹節を使って澄んだあっさり味。そこにかけるのは「イベリコベジョータ」を使った油だが、そこに山椒と唐辛子の味を移している事で、「山椒薫る」を実現している。
このラーメンに関しては、まずは麺を静かに啜ってほしいとの事。そうする事で、最初はスープのあっさり感が楽しめ、ドングリを食べさせて育てたという「イベリコベジョータ」の油は、それ自身が持つ甘みに、唐辛子の辛さと山椒の痺れが加わって、あっさりの中に複雑さが加味されているので、しつこさは最後まで感じない。そして、油に含まれる山椒が徐々に舌と鼻に広がってくる。薬味には揚げた山椒を乗せて、食感のアクセントを存分に発揮させている。
独特な味を玄瑛独特の技で仕上げつつ、玄瑛にはなかった味の組み合わせを楽しめる。そんな一杯を是非食べてみてほしい。
【NAKED #036】
麺劇場玄瑛 六本木(東京都港区六本木4-5-7/東京メトロ線・都営地下鉄線「六本木」駅より徒歩3分)
「山椒薫るかけラーメン」600円
販売期間:9月15日(木)〜10月14日(金)
※一日10食限定メニュー
※売り切れの場合はご容赦下さい。
※ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です。