今日は、以前お話をした厚生年金の債務超過、過去対応分マイナス500兆円。将来はプラス500兆円でトントンだという話ですが、それでも将来世代に対して500兆円、厚生年金だけでも世代間格差があって、全部の制度を合わせても750兆円くらいだと言われています。それをどうやって少しでも改善するのかという案についてご紹介したいと思います。一橋大学の小黒先生という人が提案している「事前積立」という方式です。
どういうやりかたかと言いますと、現在の年金制度、いわゆる賦課方式と言って、例えば今年払われた保険料はその年の給付に使われてしまう。前の世代の給付に使われてしまうと言う「賦課」方式から「積立」方式に移行することによって、世代間の不公平を少しでも解消しようということなんですが、そのときに問題になるのが先ほど申しました「穴のあいている債務」部分全部の制度合わせて750兆円くらい、厚生年金で500兆円くらいと言う、こちらをどう埋めるかと言うのが積み立て方式への移行で一番問題だと言われている点な訳ですが、小黒先生の考えによれば「事前積立」方式、つまり現在、例えば2011年(2年前に作った資料だと思いますが)100万円づつ現役世代が年金を払い、積立ていて、その年の給付に使われてしまう訳で、それに加えて「事前積立」プラス50万円づつやりましょうと言うことによって先ほどの750兆円の「暗黙の債務」を解消していきましょうと言う案です。
ただ、それでもこのプラス50万円を負担するのは現役世代なのであって、世代間格差の解消にはなっていなくてより現役世代が負担すると言う構図に変わりないのでは、と言うのが私の意見です。100万円に対してプラス50万円になる模式的な数字なのでしょうが、例えば月3万円とか4万円、厚生年金保険料払っている人がプラス2万円にして、5万円とか6万円とか一気に上がり、それぞれの家計で耐えられるのかと言う素朴な疑問が2点あるので、私の中ではこの「事前積立」方式のことは消化できておりません。
資料はこちら:http://bit.ly/XaxYSe
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