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私は手のひらや足の裏に大量に汗をかく体質です。
物心ついた時にはこの体だったのですが、思春期の頃から大いに悩まされました。
インターネットでこの病気について調べてみると
「手掌足蹠(しゅしょうそくせき)多汗症」
という病名が当てはまります。
いつから発症する?
私の場合、物心付いた時には症状が出ていました。
ただ、気になり出したのは小学校高学年くらいから。
いわゆる思春期になってからですね。
「汗をかくのは普通のこと」ですが、私の手足の汗は尋常ではありません。
水滴が滴り落ちるような汗が出るのです。
古い記憶にあるのは、家族でこたつに入っている時のこと。
姉から「手を見せて」と言われ、こたつから出すと、私の手から湯気がたっているのです。
こたつで汗をかき、冷たい空気に触れることで蒸発していたのでしょうが、当時は小さかったため
「見て~!面白~い!」
と家族に自慢していたくらいでした。
家族もゲラゲラ笑っていたし、無邪気なものですね。
足もいつも湿っていて、こたつで誰かの足に触れたら
「すごい濡れているね〜」
と言われるレベルです。
まぁ家族は私の体質を知っていたので、特に何か言われることもなかったです。
思春期から大人へ
夏でも冬でも一年中ベトベトしている手足。
もちろん夏の方がひどいのですが、冬でも何かキッカケがあれば一気に汗ばむことは悩ましかったです。
身近に同じような人がいなかったので、恥ずかしさも感じていました。
多汗症のせいで、恥ずかしい思いもたくさんしました。
汗をたっぷりかいた手で鉛筆を握ると、当然その汗は下に流れ落ちます。
ノートやプリントに何かを書きたいと思っていても、その状態では紙が濡れて書けません。
最悪の場合、鉛筆の先が引っ掛かって破れます。
あと、消しゴムが使えません。
濡れた紙だと消えないんです。
私の場合、ハンカチを手の下に当てて書く事で乗り切れましたが、夏場はハンカチが汗でビチャビチャになってしまうので、2枚は必要でした。
濡れたハンカチはポケットに入れているので、ポケットの中も常に湿っていたと思います。
今思えば、だいぶ不衛生だったかも。
大人になってからも、夏の時期や暖房の効いた冬場などに「こちらに記入ください」と紙とペンを出されても、いきなりペンを握る事が出来ません。
まずバッグからハンカチを取り出さないといけないからです。
大抵バッグに触った瞬間、「あれっ?何やってるの?」といった顔をされます。
でも書類を濡らすわけにはいかないし、自分でも面倒だと思うのですが仕方ないと割り切っています。
また、他人と手をつなぐのが苦痛で仕方ありませんでした。
学校生活では、手をつなぐ場面が年に数回あります。
クラスのレクレーションや運動会での遊戯など、強制的に手をつながされるのです。
もちろん手を繋ぐ前には、洋服に手を擦り付けて汗を取るのですが、繋いでいる時間が長かったり、フォークダンスのように次々と手を繋いだりする時には焼け石に水。
ベトベトの手を差し出すしかないのです。
私の場合、女の子と手を繋ぐのが特に嫌でした。
「どんな風に思われるだろう?何か言われないだろうか?」
という不安を感じていました。
陰口を言われる恐怖です。