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私の両親は、どちらも体中にホクロがたくさんあります。
そして子どもの私も、体中にホクロがありました。
お風呂に入るときは、姉妹で体のどこにホクロがあるのか探したり、何個あるのか数えたり、新しいホクロを発見したりと「ホクロ遊び」するのがが当たり前でした。
幼少期は、ホクロによって嫌な思いをすることはありませんでした。
小学校の頃の私
小学校に入った私は、クラスに友達もいて、楽しく過ごしていました。
低学年のときは学校が楽しくて楽しくて、校庭を走りまわっていた記憶があります。
木に登っておままごとをしたり、基地を作ったり、学校の森を探検したり……。
本当に楽しい日々を送っていました。
ただ、高学年になるにつれ、鼻と口の間にあったホクロがみるみるうちに大きくなっていきました。
その鼻の下のホクロだけがどんどん大きくなって、さらに日に日に色が濃くなっていきました。
男子に言われたひどい言葉
ある日、学校で遊んでいると男子が邪魔と口論になり、最終的に大きな喧嘩になってしまいました。
そうしているうちに、口の悪い男子に
「おまえ、うっとおしいって言ってるだろ! 鼻くそボクロのくせに!」
と言われたんです。
その言葉と聞いた男子たちがいっせいに笑い始めて
「黙れ、鼻くそボクロ!」
「鼻くそ取ってやろうか?」
と鼻の下のホクロを取ろうと爪で引っかいてきました。
「やめて!」
と言っているのに面白がって止めてくれなくて、とうとう泣いてしまいました。
すごく恥ずかしくて悔しくて、私はただ泣くしかありませんでした。
毎日、鏡をみるのがイヤに
男の子に「鼻くそボクロ」と言われてから、ただでさえイヤだった鼻の下のホクロが余計イヤになり、鏡を見るたび気になって仕方ありませんでした。
ホクロを取ることができないかと、自分でカッタ-で傷を付けてみましたが、取れるどころか、赤く腫れてしまって余計に目立つばかり。
クラスのみんなは、本当は心の中で「鼻くそボクロ」と思ってるんではないか。
陰で笑っているんじゃないか。
そんな気持ちになってしまって、友達の顔を見るのも怖くなってしまいました。
家族さえも笑ってくる
幼少期はホクロの数を数えて遊んでいた妹も、思春期になるとお洒落や美容に関心を持ち、どちらがキレイかなどを口にするようになっていました。
私は、口元のホクロが気になって仕方なく、そのホクロのせいで自分は醜いとまで思うようになりました。
ある日、妹と盛り上がってしゃべっていたときに、ふと妹が
「お姉ちゃんはその口元のホクロはおしゃべりボクロだね」
「そのホクロが無くてよかった」
「そのホクロってブラックホ-ルみたいだね」
男子に「鼻くそボクロ」といわれて深く傷付き、気にしていたのに、妹にもひどいことを言われてしまいました。
もうイヤだ。こんなホクロなんてイヤだ。
そんな思いばかりがどんどん募って自分にも自信が持てなくなり、日に日に元気がなくなっていきました。
ホクロが完璧にコンプレックスになった中学時代
中学に入ると、好きな人ができました。
友達にも「告白しなよ!」なんて言われたのですが、
きっとこんな自分のこと好きになってくれるはずがない。
だって私は「鼻くそボクロ」なんだもん。「ブラックホ-ル」なんだもん。
そう思い込んでいた私は自分にまったく自信が持てず、片思いのまま学生生活を送りました。 他の友達は好きな人に告白したり、一緒に帰ったり楽しそうに過ごしていました。
でも、私は好きな人に近付くことが出来ず、体育館で彼が部活のバトミントンをしている姿を陰からずっと見ることしかできませんでした。 いつも心の隅には
「こんな私に告白されても嬉しいはずがない」「どうせ鼻くそボクロがあるから笑われてしまう」
自分は好きな人がいても、付き合うことが許されない人間なんだと思っていました。