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わたしは、女として産まれました。

でも、わたしの初恋の相手は、女の子でした。

保育園のころの話です。

まだ小さかったので、友達の延長で好きと感じる程度のものでした。だからそれほど気になることはなく、自分自身も、変だとは思うことはありませんでした。

女の子たちが「〇〇君のことが好き!」などと、はしゃいでいるのを見て「男の子の何がそんなにいいのだろうか?」「わたしは女の子の方が可愛くて好きだなぁ」と、思うことも。

今思うと、あんな小さな頃から、恋愛対象は、女の子だったのだなぁと、納得する自分が居ます。

お人形のような女の子に恋をしていた小学校時代

小学生になり、わたしは「自分は男の子より、女の子が好きだ」とはっきり思うようになりました。

遊ぶときも、女の子とは何をして遊べば良いのか分からず、男の子とばかり遊ぶようになっていました。

サッカーをしたり、野球をしたり……。

わたしは、背が高い方だったので、体力的にも、男子と遊んでいて引けを取ることはありませんでした。

服装も、スカートなど履いたことがなく、フリフリや、ピンクの洋服には興味なし。

そのころは「女の子なのに」と言われるのが、とにかくいやでした。

少しづち、自分はなぜ女の子で産まれてきてしまったのかと、考えるようになっていました。

小学校も高学年になると、男女の境界がはっきり分かれます。

そして、恋の話にも花が咲きます。

女子はもちろん男の子の話をするのですが、わたしは女の子にしか興味がなく、話を合わせることもできないので、女子とは、ほとんど話をしなくなりました。

なかには、わたしが実は男の子が大好きで、一緒に遊びたいがために、男の子っぽい格好をしているんだと、噂をする子もいました。

男子にはまったく興味がなく、ただ男子と遊ぶのが好きで、とくに野球が大好きだったわたしは、「よくわからない考え方だなぁ」と感じていました。

そのころも、好きな子はいました。もちろん女子でした。

とても明るく、いつもオシャレで、髪の毛の長い、お人形のように可愛い子でした。

男子にも人気で、彼女を好きな子はたくさん居ました。

わたしも、そのなかのひとりだったのですが、性別は一応女の子として産まれて来ていたため、誰にも打ち明けられずにいました。

中学時代の辛い思い出

中学に上がるにあたって、とても嫌なことがありました。それは制服です。

小学生までは、私服登校でしたが、中学に上がると、セーラー服になるのです。

セーラー服と言えば、もちろんスカートです。

本当にスカートが嫌で嫌で、親にも泣きながら相談しましたが「少しは女の子らしくしなさい!」と、言われ、とりあってもくれませんでした。

わたしは、入学式も行きたくないと言っていたのですが、無理やり親に連れて行かれたのを覚えています。

セーラー服を着ることは、わたしにとって、たえられないほどいやだったんです。

そして、一番辛かったのが、部活です。

わたしは、今までずっと、男子と一緒に遊んでいて、スポーツも男子としていたのですが、中学の部活は、男子と女子は、完璧に別々なのです。

いまさら女子と一緒にスポーツをしても仕方が無いと思ったのですが……、かといって、文化部に入る気にもならないので、女子バスケ部に入ることに。

男子と一緒にスポーツができなくなり、自分は、女子なんだと、改めて思い知らされました。

とても辛かったのですが、部活動自体はとても楽しかったです。

そのときも、同じバスケ部でひとつ年上の、女の先輩に恋をしていました。

その人に、彼氏がいたのを知ったときは、ショックで泣きそうでした。

周りからは「男の子みたい」だとか「もし男の子だったら絶対好きになってた」などと言われていましたが、自分が本当は女の子が好きだということは言えずにいました。

女子同士のスキンシップとして、抱きついたり、手を繋いだりなどはよくしていたのですが、自分が女子を好きなことがばれたら、気持ち悪がられ、距離を置かれるのではないかと思っていたのです。

自分の気持ちはとにかく誰にも秘密でした。

自分が性同一性障害と気づいたきっかけ

自分が、性同一性障害だとは思ってもいませんでした。

思っていなかったというより、性同一性障害という障害があることを知りませんでした。

身体が成長するにしたがい、性への関心が出てきます。

中学に上がってから、男子とつるむこともなくなり、女子と行動するようになっていたのですが、みんな性に対して、敏感で、興味津々なのです。

マセている子だと、もう経験済みの子も居ました。

誰が好きだとか、誰と付き合っているだとか、どごまでしたなど、女子同士の話はすごく過激です。

そんなときも、わたしは女子が性の対象でした。

ただ、自分の身体はひとりの女性として成長していきます。生理が来て、胸が出てきて……でも一番欲しいものは付いていなくて。

性に目覚めれば目覚めるほど、悩みました。

生理がある自分も嫌いだし、胸が出てきて、それを隠すのに必死な自分も嫌い。

好きな子は女子で、その子を抱きたいと思っても抱けない自分の身体が嫌いで嫌いでしかたがありませんでした。

そして、好きな人を必死で隠さなければいけないこと、好きな人が女性だと言うと気持ち悪がられて、今までの仲の良い関係が崩れてしまうのではないかという恐怖があり、とても悩みました。

そんな気持ちでいるときに、*名前も顔も知らない人になら、本当の気持ちを相談することができるのではないかと思い、インターネットの悩み相談サイトに行ったのです。

女の子だけど、女の子が好き。性同一性障害で悩み続けたわたしの半生[体験談](2/2)に続きます。

written by ちょうめ

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