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中学生になると、周りの女友達がブラジャーをつけはじめ、なんとなく男子生徒と距離を置くようになりました。

男子の方も今までとは違って、女子の胸の大きさについて話をするという時期。

私はブラジャーをつけることもなく、小学生のような感覚で毎日を過ごしていました。

なかでも、成長の早い女子に向かって男子が「富士山」というあだ名を付けました。

それは胸の大きさのことを指していて、富士山のように大きいということからだったのですが……一方私には「地平線」というあだ名がつけられました。

それまで自分の胸の大きさについて気にしたことがなかったのでとても驚いたのを覚えています。

「富士山」と呼ばれた子は恥ずかしかったのでしょう。いつも猫背気味に胸を隠すようにしていました。

私は「地平線」と呼ばれたことがあまりにショックでうつむいていると、幼馴染が「この子の母親はおっぱいが大きいから、この子だってそのうち大きくなるんだよ!」とかばってくれました。

さすがにナイスフォローとは言いにくいものでしたが、たしかに私の母親は太っているわけでもないのに胸が大きく、母の姉妹も巨乳でした。

だから「高校生にでもなれば自然と大きくなるのかな」とも思ったのですが、やはり「今すぐにでも大きくしたい」と願ってしまいました。馬鹿にされたのがとても悔しかったのです。

でも、どうすることもできないまま、中学生のころは「地平線」と呼ばれて悲しい思いをしていました。

# 初めて恋人に言われた心ないひと言
結局高校生になっても胸は大きくならず、地平線のままでしたが、それをからかう人もいなかったので気にもしなくなっていました。

高校一年生のときには初めて彼氏ができました。結局彼とは別れてしまったのですが、それはそれはいい思い出となりました。

そして高校を卒業してから1年目の年に同窓会があり、彼と久しぶりに対面。

見た目は変わっていませんでしたが、別れてからちゃんと話をすることもなかったので色々話せて楽しかったのを覚えています。そして、彼が私を家まで送ると言ってくれ車に乗りました。

ちょっとドキドキして、またここから交際が始まったら……前とは違う付き合いからができるかな、などと淡い期待を抱いていましたが、彼は私の胸をじーっと見てひと言

「お前、ぜんぜん胸ないな……」

久しぶりに会った元カレにそんなことを言われ、あの「地平線」というあだ名を思い出して私の頭はパニックに。

おどおどしていると

「あ、気にしてた? あはは」

と軽く笑われたんです。

私は「ここでいいから」と途中で車を降りて帰りました。

昔のトラウマを思い出したこと、初めての彼氏だった人が、心無い言葉を浴びせるような人だったこと……複雑な気持ちが入り混じって泣きながら家に帰りました。

豊胸マッサージとサプリメント地獄

自分の胸の小ささを痛感した私は、胸が大きくなるというマッサージとサプリメントに挑戦することにしました。

テレビでマッサージをして大きくしたという人を見て、それを真似て毎日実践することにしました。

さらにプエラリアという成分がたくさん入っているサプリメントを飲むことに。色々な種類があり迷いましたが、思い切って1箱2万円もする高級品に手を付けました。

口コミでは「1週間で2サイズアップした」などとありましたが、私の胸にはそんな効き目はないだろうとふみ、とにかく3か月は続けてみようと思いました。

毎日のマッサージはまったく効果がなく、サプリメントも3か月飲み続けても何の変化もありませんでした。

3か月では足りないのかもと思い、高級サプリに加えてさらに3種類のサプリメントを追加。

サプリメント地獄に突入しました。

たくさん飲めばいいわけでもないのはわかっていたのですが、それでも飲まずにはいられませんでした。

半年経っても効果が得られなかったので、私はマッサージもサプリメントも一切やめ、もうどうでもいいやと投げやりになりました。

投げやりになったと同時にどういうわけか食欲が増進し、よく食べるようになりました。

胸が大きくなった! でも……

よく食べるようになってから、体重が増え始め、いつの間にやら胸が大きくなっていました。

ただ、残念ながらお腹もぽっこりしてお尻もどどーんと大きくなり、かなり太ってしまいました。とはいえ、胸が大きくなったのは事実です。

ぽわんとした自分の胸に私は歓喜しました。

ちゃんと掴めるほどの大きさ、柔らかさ……。「これが欲しかったんだ! 太ったけど胸がある!」

とはいえ、背中についた脂肪やぽっこりしたお腹……。

胸だけを残してダイエットできるかはわかりませんでしたが、ダイエットを決行しました。胸だけ残れば今までの嫌な思い出は払拭される!と気合を入れて頑張りました。

結果……体重と共に胸も小さくなり、結局もとに戻ってしまいました。

パッドに頼るものの……失敗

豊胸手術という言葉が頭に浮かびましたが、失敗したらどうしようという不安から踏み切れず、結局私はパッドに頼ることにしました。

大きいサイズのブラのなかにレモンパッドと呼ばれる大きなパッドを入れます。

私は胸の横と下にダブルで入れていたので、かなり大きめな胸を作っていました。

パッドだとはばれないよう、いつもできるだけ胸が開いていない服を着ていました。

しばらくして、ある男性とお付き合いすることになりました。

正直、ちょっと困ったなと思いましたが……真剣に付き合っていくなら、ウソを突き通すことはできない。

私は覚悟を決めて、実は自分の胸はとても小さいんだと打ち明けました。

すると、彼は少し顔をしかめて「僕、胸の大きい人が好きなんだよね……」と。

結局また胸か……とがっかりして、別れなければならないかもと思いました。

しかしその瞬間、彼が私の胸を揉んできたんです。作り物だからと手を払いましたが「ちょっとだけ触らせてほしい」と言われ仕方なく触らせました。

そしてひと言。

「正直、驚いたよ。こんなにパッド入っているなんて」

だますつもりはなかったし、自己満足と思って入れていたパッドですが、彼のしょんぼりした顔を見ていたらなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

そしてそれをきっかけにパッドを入れるのをやめたんです。

サプリ地獄からパッドお化けに。貧乳女の豊胸大作戦![体験談](2/2)に続きます。

written by charzaku

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