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「薄毛」ときくと、
「あ、男性がよく悩むやつだよね」
という考えがでてくるのではないでしょうか。
しかし今、FAGA(女性男性型脱毛症)に悩む女性が増えてきています。
その数は、国内で約300~600万人存在するといわれているほど。
相談できずに悩んでいる人が多いFAGAですが、実は案外身近なところにFAGAの原因があるかもしれません。
FAGAとは
FAGAとは、女性男性型脱毛症のことです。
本来、男性の薄毛をAGA(男性型脱毛症)といいます。
脱毛の症状などに違いがあることから、女性の場合と男性の場合でそれぞれ異なる呼び方をされているんです。
一度は耳にしたことのある人が多い円形脱毛症のように、局所的な脱毛とは異なるのがFAGAの特徴。
全体的に髪が薄くなるのがFAGAの典型的な症状です。
男性の場合には、後頭部や前頭部が集中的に薄くなったり、という場合も多々みられますが、FAGAの場合には局所的な脱毛はほぼ見られません。
またAGAのように、ゆくゆくは症状が進行して髪がほぼすべて抜けてしまう、ということもあまりないよう。
以前に比べて髪がだいぶ細くなり薄くなる、というのが女性男性型脱毛症の症状です。
FAGAは、びまん性脱毛症と言う場合もあります。
FAGAの原因
まず、FAGAの仕組みを理解するためには、ホルモンのはたらきと髪の毛の成長の仕組みを理解する必要があります。
ホルモンのはたらき
そもそも、人の体内には女性ホルモンと男性ホルモンが存在します。
女性でも男性でも、両方のホルモンを必ず持っているんです。
しかし一般的には女性の体内には女性ホルモンが多く、男性の体内には男性ホルモンが多いもの。
女性ホルモンは、わかりやすく言うと、女性ならではの身体の機能を保つはたらきをしています。
たとえば子宮の動きを活発にしたり、乳腺を発達させたり、といったことから、肌や髪のツヤを保つはたらきも。
本来女性が男性より薄毛の症状が少ないのは、この女性ホルモンのおかげです。
女性でも卵巣や副腎で微量の男性ホルモンが作られています。女性ホルモンが減ると、相対的に男性ホルモンの働きが強くなります。
髪の毛の成長の仕組み
FAGAの原因には、髪の毛の成長の仕組みも大きく関わっています。
他の細胞と同様に、髪にも成長の過程と寿命が存在。
通常、1本の髪が成長し始めてから寿命を迎えるまでの期間が、約4~6年ぐらいです。
長い成長期の間に強くしっかりした髪へと成長し、成長が止まる2~3週間の退行期を経て、数ヶ月にわたる休止期の間に毛根が浅くなり、そして自然に抜けていきます。
この一連の流れは「ヘアサイクル」と呼ばれいるんです。
そして、その髪の成長期の間に髪を強くするはたらきを持つのが女性ホルモン。
つまり、ホルモンバランスが乱れて女性ホルモンが弱くなったり、男性ホルモンの方が多くなってしまうと、髪の毛は十分に成長することができません。
ホルモンバランスが乱れる理由
FAGAの原因はホルモンバランスの乱れであることがわかりました。
では具体的に何がホルモンバランスに影響を及ぼしているのでしょうか。
ホルモンバランスの乱れは、女性男性型脱毛症だけでなく、生理不順や不妊、肌荒れといった症状にもつながるため、女性なら是非理解しておきたいところ。
生活におけるさまざまな要素が、ホルモンバランスに影響しているんです。
ストレス
女性ホルモンは、ストレスの影響を受けやすい特徴があります。
女性ホルモンというのは、脳から発せられるサインを受けて体内に分泌されるもの。
しかしストレスを感じると脳の働きが弱くなったり、間違ったサインを送ってしまったりすることがあるため、女性ホルモンが正常に分泌されなくなる可能性があります。
嫌なことだけでなく、緊張なども脳にとってはストレスのひとつ。
そのため自分ではストレスだと気づいていなくても、環境の変化などによっても脳がストレスを感じてしまうことがあるんです。
喫煙
タバコの場合は、女性ホルモンの分泌そのものに影響があるわけではありません。
タバコを吸うと、女性ホルモンが過剰に分解されてしまうため、せっかく分泌された女性ホルモンを効率的に使えなくなってしまいます。
実際、タバコを吸うことで肌が荒れたり、ヒゲが濃くなるなどの症状がでる場合があるという報告も。
睡眠不足
睡眠中は脳がリラックスしているので、いろいろなホルモンが分泌されます。
そのため、睡眠不足はホルモンの分泌を妨げる大きな原因に。
また睡眠をとっていても、質の良い睡眠を取れるか否かによってもホルモンの分泌量は変わります。
寝る前にスマホやパソコン、テレビなどを見ていたり、直前の食事や運動は睡眠の質を低下させてしまうので、注意が必要かもしれません。
食生活の乱れ
栄養状態が良くないことも、ホルモンバランスに影響します。
特に女性ホルモンが活発に分泌されるためには、脳だけではなく卵巣などの動きが活発であることも大切。
栄養が足りなかったり偏っていたりすると、身体の細胞の動きがにぶくなってしまうので注意すべきかもしれません。
女性ホルモンと似ている働きをしてくれる、イソフラボンを豊富に含む大豆などをしっかり摂取してみては。
経口避妊薬(ピル)の服用
経口避妊薬の場合は、ホルモンバランスを乱すばかりとは限りません。
そもそもホルモンバランスが正常に機能していない人の治療に使用されることもあり、ときには乱れたホルモンバランスを調整してくれるものでもあります。
しかしピルを飲み続けていると、体内のビタミンBの吸収を妨げてしまうことがあるのだとか。
ビタミンB群は代謝をよくしたり、ホルモンを体内に届けるはたらきをしているため、ホルモンバランスに影響してしまう可能性も否定できません。
冷え
ホルモンバランスは、身体の冷えからも影響を受けるのだとか。
身体の冷えは視床下部に影響を与えます。
視床下部というのは脳の中でも、特にホルモンの分泌に影響している部分でもあるため、冷え性な人はホルモンバランスの調整ができなくなってしまうことがあるんです。
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