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夕方になると現れる肌のテカりは、女性なら誰でも一度は悩んだことがある肌トラブルです。
脂性肌の傾向が強い人のなかには、洗顔をまめに行ったり、脂分の多い食品を避けてみたりなどの対策を講じても一向に肌質が改善されず、あぶらとり紙が手放せなくなっている人も。しかし、そもそもそのケア方法は合っているのでしょうか?
まずは脂性肌のメカニズムについて正しく知り、適切なケアができるようになりましょう。
脂性肌とは?
脂性肌(しせいはだ)は「オイリー肌」とも呼ばれ、皮脂の分泌が過剰になっている状態の肌を指します。皮脂を作る「皮脂腺」という器官のはたらきが、何らかの理由で過剰に活性化してしまっているときに起こります。
皮脂腺とは
毛穴のなかにある皮脂腺は、皮脂を生産し分泌する器官です。皮脂腺で作られた皮脂は毛をつたって毛穴から表皮へと分泌され、表皮で汗と混ざりあって「皮脂膜」という0.5ミクロンほどの厚さの膜を形成します。
皮脂膜は皮膚を刺激から守ったり、皮膚内部からの水分の蒸発を防いだりするだけでなく、髪にうるおいを与えたり、皮膚を弱酸性に保ち細菌の繁殖を防いだりなど、皮膚の健康に欠かせない重要な役割を担っています。
脂性肌の特徴
脂性肌の一番の特徴といえば、皮脂による肌のテカりです。メイクをしていれば、ファンデーションが過剰な皮脂と混ざって肌から浮いてしまう、いわゆる「化粧崩れ」や「脂浮き」という現象を起こします。
また、脂性肌では活発な皮脂腺のはたらきにより毛穴も大きく開いているため、凹凸が目立ち、肌のきめも粗くなります。さらに、何らかの原因で毛穴の開きが詰まると、活発に分泌されている皮脂が毛穴内に詰まってしまい、ニキビとなってしまいます。
脂性肌になるしくみ
皮脂腺のはたらきが過剰になると皮脂も過剰に分泌されるわけですが、ではどのような場合に皮脂腺のはたらきが過剰になるのでしょうか?
皮脂腺のはたらきは、ホルモンによって制御されています。成長ホルモンや甲状腺ホルモンなど、さまざまなホルモンが皮脂腺の大きさや皮脂の生産量などの制御に関わっていますが、なかでも男性ホルモンである「アンドロゲン」が皮脂腺の機能にもっとも強い影響を及ぼしていると考えられています。
アンドロゲンとは
「アンドロゲン」とは、男性ホルモンの総称です。男性化機能(=男性を男性らしくする作用)をもつステロイドホルモンで、男性ではおもに精巣で分泌されますが、女性の体内でも副腎や卵巣で分泌されています。しかし、女性の分泌量は男性の5~10%程度です。
精巣で分泌されるアンドロゲンの90〜95%が「テストステロン」という男性ホルモンです。
このテストステロンが、皮脂腺に存在する「5αリダクターゼ」という酵素と結合すると「ジヒドロテストステロン」(DHT=Dihydrotestosterone の略)という男性ホルモンへと変化します。
ジヒドロテストステロンはテストステロンの10倍の活性度を持ち、皮脂腺を強く刺激して皮脂の分泌をうながします。
皮脂腺の総数は、生まれたときに既に決まっています。しかし、皮膚に分泌される皮脂の量は、皮脂腺の大きさやアンドロゲンの作用の強さにより、体の部位で異なります。
たとえば顔の「Tゾーン」と呼ばれる、額から鼻にかけての部分には、顔のほかの部分の約7倍の数の毛穴が存在します。毛穴には必ず皮脂腺が付随しているため、Tゾーンでは皮脂分泌が活発になります。