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誰にでもあるコンプレックス。でもそれはみんな同じじゃない。
私がコンプレックスと向き合うことになったのは小学生になったばかりの頃でした。
私のコンプレックス、それは小学生の頃から毛の量が多く、日に焼けやすかったこと、横を向くと顎が人より出ていることでした。
「小さいうちからそんなこと気にする必要なんてない。」
小さな体から小さいけど勇気を出して言ったSOSはいつも大人のこの言葉が蓋をします。
確かに大人からすれば日に焼けて黒いのも元気で健康な証拠!毛深いのも子どもだから気にすることはないから大丈夫、だと流す話かもしれません。
でも、時に子どもは大人に対しても、ぐさりと刺さるような事を言いますよね。
そんな小さい鋭く尖った言葉が、子どもの小さな体に幾つも突き刺さること、それがどれだけ心をボロボロにしていくことか…。
コンプレックスを自覚した瞬間
「おい、ゴリラ!その顎そのうち、割れるんじゃないのか?」
きっかけはある時クラスで人気だった男の子の笑いを含んだ掛け声でした。
それまであまり意識していなかった自分の眉毛、腕や足の毛、日焼けした体の色、人より出ている顎。
このクラスの中心とも言える男の子の発言はとても大きなもので、自分のコンプレックスを意識するきっかけになったのも、クラスの男の子から嫌なことを言われたり、悪戯される様になったのもこの日からだったと思います。
端から見たらただの子どもの悪ふざけ。
しかし私にとってはとても長く嫌な時間でした。
そして男の子からふざけてぶつかられたり、ノートや教科書で軽く叩かれたりと、ちょっかいを出されている私を面白く思わなかったのはクラスの女の子達です。
「何あいつ、男の子にちょっかいばっかりかけて、調子にのってる。」
特にそのからかって来ていた男の子を好きな女の子グループからは陰口や小さな嫌がらせが始まります。
授業中私の悪口を書いた小さな手紙が私を除いたクラスメイトの間で回ったり、ノートにはゴリラの落書きや汚い言葉の数々。
机や下駄箱には給食の牛乳やゴミが押し込まれ、プールの時間は指をさして笑われるなど小さく陰湿なイジメは日常茶飯事でした。
こちらとしてはとてもいい迷惑です。
別にちょっかいを出してる訳でもなければ好きでイジメられてる訳でもないのに…
それは学年を上がるごとにエスカレートし、ある日親友だと思っていた毎日遊んでいた女の子が、廊下で私の教科書を破いているところを見つけてしまいます。
それは誰かに命令されている様子も、脅されている様子でもなく、自ら楽しんでやっている様にしか見えませんでした。
そしていつの間にかその仲の良かった女の子はイジメをする側の、それも主犯になっていたのです。
変わりたい、見返したい
中学に上がり小学校から一緒にだという人は半分に減りました。
しかしイジメはなくなるどころか、日を追うごとにさらにエスカレート。
顎が出ている、眉毛が濃い、体の毛が濃い、顔が黒い、髪も黒い…
とある給食の時間、ふざけて遊んでいたクラスの男の子に注意した私に
「お前は眉毛でも食ってろ!この黒人が!」
その瞬間クラス中が笑いと騒めきに包まれ、気付くと私はクラスを飛び出し保健室に逃げ込んで泣いていました。
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