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私の生まれた地域は公害のせいで常に空気が悪く、私を含めた多くの友達も気管支炎を患っていました。

その地域は住民の負担なく、市の全額負担により家の全室に無料でエアコンが取り付けられました。

なので私は家はもちろん、幼稚園から中学まで夏場も長袖を羽織るほど涼しく快適な環境で育ちました。

しかし、学校が市立から県立に変わった高校一年の夏、自分が異常な汗っかきであることに気付きました。

高校まで自宅から約1時間半、電車と徒歩での登校。

上は白いブラウスに下はグレーのスカート。

それまで汗を拭うことすらあまりなかった私が、登校中電車に乗ってつり革につかまっていた時、友達から言われました。

「背中ビッチョビチョでブラジャースケスケになってるよ!?」

私は自分がそんなに汗をかいていることすら気がついていませんでした。

友達に背中の汗を指摘されてから、急に恥ずかしく、情けなく、周囲の乗客が全員私を好奇の目で見ているかもしれないと思った途端に、膝の裏に冷たいものを感じました。

「漏らした!?」

と思ったソレは、お尻の辺りから流れてくる汗でした。 どうやら背中だけでなく、お尻にも大量に汗をかくタイプだったようです。

「どうか周りの人に気づかれませんように」

の願い虚しく、今度は友達に

「ちょっと、スカートおしっこ漏らしたみたいになってるよ!」

と指摘されました。

お尻から流れた汗は太ももを伝って膝の裏を流れ、靴下に吸収されて終わってはくれませんでした。

あまりにも大量の汗はパンツに浸透し、グレーのスカートにお尻の形に汗染みを作ってしまいました。

目的の駅に到着し、背中の汗染みは諦め、お尻部分をカバンで隠しながら登校しました。

そして待っていたのは、エアコンのない高校でした。

公害地域外にある学校だったので、エアコンが完備されていなかったのです。

下敷きで扇ごうが、窓際に座ろうが、汗は簡単にひいてはくれません。

*かいた汗は塩になり、グレーの制服に白い染みを作ります。

濡れても乾いても地獄なのです。*

なので、そのまま座るとお尻に汗をかき、汗がスカートに染みてしまうため、スカートをまくし上げパンツの状態で椅子に座りました。

この方法はスカートに汗は染みませんが、お尻自体にブツブツができやすくなってしまいました。

夏で暑いのに、スカートの下に短パンを履くなど1クッション汗を吸い取る媒体をかますことで汗染みを回避しました。

しかし暑さは倍になるため、短パンを通り越してスカートに汗染みができることもままありました。

高校一年の夏に自分が汗っかきであると気付いてからは、夏になると逆に厚着をし、汗が染み出してこないよう何枚も層を重ねる方式をとりました。

人と食事ができない

見た目の汗は厚着方式でどうにか人の目に触れるほどではなくなりましたが、人と食事をすることで新たな部分の汗っかきが発見されてしまいました。

大人になってくると、お付き合いで人と食事をする機会が増えてきます。

自分一人や家族と食事をする分には、お鍋だろうがラーメンだろうが特に汗をかいた記憶がないのに、なぜかお付き合いで食事をする時だけ顔と首に大量の汗をかいてしまうのです。

初めはお店の室温が高いのか、頼んだメニューが熱々だから?などと思って、できるだけ熱くなさそうなメニューを選ぶようにしていました。

例えそれが冷やしたぬきうどんであっても、顔と首に汗が流れてしまうのです。

私は体質的な汗っかきなだけではなく、人といることで緊張して汗をかいてしまう体質でもあったのです。

「汗をかいたら恥ずかしい、食べているのに汚いと思われてしまう」

と思えば思うほど容赦なく汗は出てきます。

調べてみると、どうやら自律神経の乱れが原因のようです。

自律神経には二つの交感神経があり、副交感神経はリラックスしている時に優位になり、もう一つの交感神経はストレスを感じる時に優位になり、汗をかきやすい状態にするそうです。

特に私の場合、食べいる時は背中には汗をかかず、顔とお尻部分が重点的に汗をかきます。

恐らくこれは、人と食事をとっている時に見える顔部分に汗をかいたら食欲無くしちゃうかな、汚いかな、椅子と接しているお尻部分が汗をかき、立ち上がった時に汗染みになっていたらどうしようという精神的な不安がストレスになり、自分の中で気になる部分に汗が噴き出てくるのではないかと思っています。

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