以前、600万人くらいに広がる
ケータイ上のコンテンツを作った事があるのですが、
その時も「媒体特性に紐付いたコンテンツを制作する」
という事を念頭において、コンテンツを作っていました。
他にも重要なポイントはありますが、
媒体特性を活用する(紐付かせる)という考えは、
コンテンツを作る上で、常に念頭に置いておくべき
考えだと思います。
(3DCG)マンガは、今後スマホ上で、
フルカラー化が進み、声優のアフレコが入り、
簡易アニメーションがつくように進化していくと思います。
それがスマホの媒体特性に紐付いており、
それらを活用しないマンガと比べると、
コンテンツとしての付加価値が高い為です。
イメージとしては、
フラッシュアニメと現在のTVアニメーションの
中間くらいに位置する簡易アニメーションが、
スマホ上で視聴されるようになるのではないかと
考えています。
※この3DCGによる簡易アニメーションは、
技術的な要因をいろいろと考慮すると、
フラッシュアニメより低コストで制作が可能になると
考えています。
これは紙媒体で読まれていたマンガが、
スマホ上の電子媒体という環境に移行する際に
必然的に起こる変化で、
マンガ作品を進化論で形容すると、
一番面白い作品が生き残るのではなく、
一番環境(電子媒体)に適応した作品が、
生き残る・・・という事で表現できるかもしれません。
※結果として、一番環境に適した作品が、
一番面白いという事になるのですが・・・。
この議論を進める上で、
このスマホ上で視聴する3DCGによる簡易アニメーションの事を、
新しい呼び方で呼べないかといろいろと考えたのですが、
安易ではありますが、アニメ・マンガロイドを省略して、
「アニマロイド -ANIMALOID-」と仮に呼ぶ事にしたいと思います。
スマホの小さな画面で見るアニメーションに、
映画のクオリティの絵は必要とされていません。
テレビアニメのクオリティも必要とされません。
大きな画面向けの映像をスマホで見ると、
細かすぎて見づらく、逆に疲れてしまいます。
つまりスマホの画面で見る前提の絵作りが求められる事になり、
ここに「アニマロイド」=「3DCG簡易アニメーション」の
必然性と経済的合理性が結びつく事になります。
では、このアニマロイドを実現する上で、
一番ネックになるのは、何でしょうか?
(後編へ続く)
コメント
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ここはちょっと疑問です。動画と静止画は違う価値があるので、例えディジタル化が進んでも、静止画でのマンガは残ると思います。そこでコマ割りが重要になってくるような気がします。動画がどんなに簡単に手に入るようになっても、写真の価値は無くならないですから。いわば、アニメは映画に対応し、マンガは写真に対応する文化、アートとして発展していくのではないでしょうか? もちろんアニマロイドの方向もありだと思います。電子ペーパーがもっと安くなれば、紙の本の中に電子ペーパーを挟み、そこでちょっと動画を見せるような”本”も可能かもしれません。いろんなものが出て来るでしょう。
(ID:3670685)
それと言い忘れましたが、紙は無くなりません。これは私が紙世代だから言うのでは無く、紙という媒体の特性はどんなにディジタル機器が発展しても超えられない部分があります。物理的な実態があり、物理的な書き込みができ、安く、軽い。これを超えるディジタル機器は今はとても作れません。電子ペーパーがどこまで発達するかにも掛かっていますが、どこまで言っても紙の価値は残るでしょう。例えば、電子ペーパーを100枚束ねた”本”を作ることができますが、これは本でしょうか? 物理的な実態の上の物理的なインクによる記録は、人間の情緒に訴える力で、消えてしまうディジタル情報に対して、本質的に勝るものがあると思います。
(著者)
アニマロイドの実現は、かなりハードルが高いと思っています。音声や動画といった方向に拡張された漫画が、製作コストに見合った面白さを提供できるかどうかだと思います。作り手の視点でみた場合、静止画より動画の方が、より楽に笑わせる事ができるので取り組みがいがありそうではあるのですが・・・・。