瀬戸熊「そうですね。やはり多井さんとの戦いになったときに、周りの人も見たいと思っているだろうし、僕自身も負けられないというのがあったので。で、実際その対決になりましたから。正直、決勝でぶつからなければ僕もそこまでモチベーションが上がっていたかどうか。一回勝負とはいえ、お互いに団体を背負っているような感じになったので、自然とテンションが上がってしまいましたね」
★いよいよ本番まであと少しとなりましたが、今の心境を聞かせてください。
瀬戸熊「今まで気負いすぎてやられていたので、今回は何も考えずにいこうかなと思っています。やはり対局前も独特の緊張感があったし、直前も最強戦に合わせたセットをやっていたりしていたのですが。でも、今回はそれよりも体調を万全にして臨むことを優先させます。フラットな気持ちで臨めた方がいいかなぁと。ただ、和泉さんと木原(雀王)さんは決まってますけどもう1枠決まっていないじゃないですか(インタビュー時。11月28日のサイバーカップで鈴木達也プロに決定)。そこが他団体の方になればいいなと思っています。僕はその方がモチベーションが上がるので。ライバルのような人が出てくることを期待しています。そのほうがいい麻雀になると思うので」
★5年連続のファイナルということで「そろそろ」という気持ちも強いのではないですか?
瀬戸熊「そうですね。とりあえず一回目、予選だけは突破したいです。決勝での勝ち負けは仕方ないと思いますが。ただ、そういう気持ちがプレッシャーにはなっていないです。ただ、5年繋げられたということが僕の中では大きいことです。そういった意味では、そろそろ決勝に立てればなぁ、と。決勝に行けば、それなりのことはやれるでしょう。なので、今回は一回勝つ(決勝進出)ことだけを考えていこうと思っています」
★最近、麻雀を打つときに意識していることは何でしょうか?
瀬戸熊「何でしょうかね? きっかけとなるくだらない放銃をしないということですかね。もちろんギリギリまで攻めるんですけど、放銃するときは勝負の形からにしたいと考えています。具体的にはリーチのめくり合いが一番分かりやすいでしょうか。この手でこっちが入ってテンパイした場合は出る牌が2分の1で当たるかもしれないけど、それで勝負して放銃しても仕方ない。放銃するときはそういう形で終わりたい。でも、自分の欲に負けた放銃はしたくないです」
★きっかけになるというのは相手に対する意味ですか?
瀬戸熊「いや、自分ですね。僕は自分が崩れるときは絶対放銃からなんですよ。しかも大体くだらない放銃。2000点とか3900点とか。相手が高い手のときの放銃は、こっちも勝負振り(込み)の形になっているのでダメージは負わないんですけど、中堅クラスの手に何気なく切って『ロン』って言われた後に崩れるんですよね。なのでそれだけ気を付けるようにしています」
★瀬戸熊プロは集中力が物凄いという印象がありますが、集中力を切らさないようにするための秘訣は何でしょうか?
瀬戸熊「長考を入れないことですね。長考しているのは迷っているときなので、対局者4人の中で1番か2番の速度で打ち切ろうと思っています。なので、ちょっと自分が迷いそうな局面だと、わざと早めに打っちゃうとかします。皆、イーシャンテンとかだと打つのも早いですが、リーチを受けて一発目のイーシャンテンだと遅くなります。だから、僕はリーチを受けていないイーシャンテンと同じ速度で打とうとしています。もちろん映像対局なので、視聴者が見やすいように多少は合わせますが。それでも『ちょっと瀬戸熊は早い』と見えるぐらいの速度で打てればと思います」
★忙しい日が多いと思いますが、たまにある休日はどういう過ごし方をされていますか。趣味とか?
瀬戸熊「最近は家で溜まっているDVDを見ます。あと、僕は家事を全くしていないので、年末だけは大掃除を手伝おうと思っています。最強戦前は、換気扇と庭の掃除をして徳を積んで臨みたいと思っていますけど(笑)。あと、僕が換気扇を掃除しないと、(奥様の)家事がストップするので。わざと止められるんですよ。料理が出てこなくなる。僕も年末年始、ご馳走を食べたいので、キチッと頑張ります」
★ファイナル前日はどう過ごされますか?
瀬戸熊「たったの2試合とはいえ待ち時間や思考の疲労もあって、つまるところ体力勝負になると思うので、そこで負けないように睡眠と食事はちゃんと取ります。前日は6~8時間ぐらい睡眠が取れるように気をつけます。あと、当日の朝は朝ごはん食べて、普段行く公園に散歩に出て、という普通の試合の日と同じように過ごし、万全の体調で臨みます。『それで負けたらしょうがない』と思って」
★験担ぎなどはありますか?
瀬戸熊「そういうのはありませんが、先輩からもらった丸っこい石、ちょうど手に収まるぐらいの大きさのもので、それを持っていきます。石って放っておくと冷たくなるのですが、握ったときにその形がイメージできるようになるときは集中できていると思います。なので試合前はそういうことをしています」
★対戦相手の印象はいかがでしょう?
瀬戸熊「和泉さんは、調子の波がありますが、僕は好調の和泉さんと打つ方がやりやすいかなと考えています。不調だと、『和泉さんは不調だから』という考えが入ってしまうので。あと、木原さんはここ最近でマスターズ決勝進出をし、雀王も獲得して乗りに乗っていると思いますので警戒はします。が、最終的には自分自身がどうあるかなので、あまり気にしていないですね」
★優勝したら賞金は何に使いたいですか?
瀬戸熊「とりあえず家の大蔵省に渡してから分配を決めていただきます。僕にその権限はありません(笑)」
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