投手戦のA卓

2着まで決勝に進める予選。A卓は起家より、先崎学・綾辻行人・押川雲太朗・加藤哲郎の並びで始まった。
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投手戦の様相で場が重く、流局が多い。初めて手がぶつかったのが東4局2本場である。

まず、先崎に1巡目テンパイが入った。
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東4局2本場 親・加藤 ドラpai_s_7p.jpg
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当然、ダブリーである。

これに親の加藤が6巡目に追いつき追っかけリーチをかけた。
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この2軒リーチに対し、押川が謎のpai_s_2m.jpgチーを入れる。
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この鳴きの直後、加藤がpai_s_5p.jpgツモアガリ。正直、この鳴きの真意が対局中には読めなかったので、後ほどインタビューを試みたところ

押川「意図は特にないんですけど…。2軒リーチが入ったんで、雰囲気を変えたい気持ちはありました。『何かをしなきゃ』『何かが起これ』と思って動いただけで。黙っているよりはいい結果が起こりやすいような気がしたので」

いわゆる「チャチャを入れた」わけである。押川はときどきこういう動きを見せるのが面白い。



南1局1本場 親・先崎 ドラpai_s_1m.jpg
この局がA卓の麻雀を象徴する「ドラpai_s_1m.jpgチキンレース」となった。

西家・押川が役牌pai_s_sha.jpgをポン。『麻雀小僧』まー坊を髣髴させる遠い仕掛けだ。
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押川はドラのpai_s_1m.jpgを引いたところで2シャンテン戻し。123の三色やチャンタドラ2を狙った。
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押川の仕掛けが早かったこともあり、他家はドラのpai_s_1m.jpgの扱いに難儀することになる。

南家・綾辻
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pai_s_1m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_9m.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_9p.jpgpai_s_2s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_chun.jpgから 打pai_s_5m.jpg

東家・先崎
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このように孤立した端牌でも残しての手作りとなるため、なかなかテンパイにこぎつけられない。ニコニコ生放送のコメントでは「一萬チキンレース」などとも評された。

結局、押川はチャンタのドラ単騎テンパイを入れる。
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一方、加藤はドラのpai_s_1m.jpgを上手く手牌に組み込みリーチをかける。
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pai_s_1m.jpgpai_s_2m.jpgpai_s_2m.jpgpai_s_2m.jpgpai_s_3m.jpgpai_s_3m.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_9s.jpg ツモpai_s_8s.jpg 打pai_s_3m.jpgでリーチ

このリーチにはテンパイしている押川もたまらずオリ。結果、加藤の1人テンパイで流局した。小場で堅い打ち手揃いのこのメンバー構成なら、微差のリードでも加藤のアドバンテージはかなり大きい。残るもう1つの椅子を誰が勝ち取るかが注目された。
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南2局2本場、pai_s_haku.jpgホンイツを押川からアガったのが先崎。これでトップ目の加藤32500を追って、綾辻26400、先崎24700という並びになった。押川16400はこれから迎える親で逆転しないと苦しい。

そんな押川にpai_s_ton.jpgポンの後、選択の残るテンパイが入った。ドラはpai_s_8s.jpg
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広く3門待ちか、高めpai_s_hatsu.jpgを期待してシャンポンか。押川の決断は後者。これが見事に決まって2600オールとなる。これで決勝進出もみえてきた。

続く1本場でも待ち選択のあるテンパイになった押川。
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関連牌はpai_s_9m.jpgが場に1枚出ていて、pai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpgは見えていないという状況。シャンポンでリーチなら親っパネまであるテンパイだが、今回は打pai_s_8m.jpgでリャンメンに受けてリーチをかけた押川。結果、pai_s_6m.jpgをツモで裏ドラにpai_s_9m.jpgを乗せて4000オールのアガリとなり、加藤を大きく引き離したトップ目に立った。

それにしても最初のテンパイはシャンポン、次のテンパイはリャンメンに受けた押川。その決断の材料はどこにあったのだろうか?
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押川「普通の麻雀なら最初のテンパイもpai_s_1m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_7m.jpgにしていたかもね。今回は2着にならないと意味がない麻雀で、点数的にも離れていたから高く受けたんだと思うよ。2900アガっても…ねぇ。で、次の局も、イガリン(五十嵐毅・日本プロ麻雀協会代表)が『プロへの道』でも言っていたように『高めに取る』ってことが頭に思い浮かんだんだけど、この得点になってリーチをかけるならリャンメンで良いかなと思って」

この後の2局はA卓らしく、押川・加藤の上位2人が隙を見せないまま流局に持ち込み決勝進出を決めた。押川は初の、加藤は昨年に引き続いての決勝卓となった。加藤は昨年の準優勝の雪辱を晴らすことができるだろうか!?