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【観戦記】麻雀最強戦2015女流プロ出場枠争奪戦 B卓

2015/01/06 12:00 投稿

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麻雀最強戦2015女流プロ代表決定戦出場を目指す女の戦いを斬る!

争奪戦B卓に出場したのは、仲田加南(第4期女流桜花)、愛内よしえ(第12期野口賞)、石田亜沙己(初代西日本最強戦ガール)、小池美穂(前女流最高位)。石田以外は全員タイトル獲得者という卓である。だが、A卓を勝ち上がった松岡と同じく石田も麻雀最強戦2013年では各地を飛び回って読者予選に参戦。また、最近では攻撃派から手役派への転身を図り、実力もメキメキつけているという評判である。A卓の松岡の勝利に刺激されないわけがない石田がビッグチャンスを掴めるか?

まず先行したのは仲田。
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このテンパイから変化を待ってヤミ。pai_s_7p.jpgを引いて高目イーペーコーの形でリーチをかけた。
東1局1本場 東家・仲田
pai_s_2m.jpgpai_s_3m.jpgpai_s_3m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_6s.jpg ドラpai_s_haku.jpg

このリーチにドラトイツの小池がチートイツで追いつく。果敢にpai_s_2p.jpg単騎で追っかけるが仲田が高目のpai_s_5p.jpgツモで4000オールを決める。
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小池は前局もいい感じのテンパイを入れて即リーチをかけたものの、流局で3人テンパイ。色々、ストレスの溜まる序盤戦となった。

続く2本場は石田が決めた。3巡目にこの形。
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当然、一通の変化を待ってのヤミテンだが、pai_s_4p.jpgツモでもリーチ。また、pai_s_9s.jpgを引けば打pai_s_3p.jpgでテンパイを崩すこともあるだろう。次巡、あっさりpai_s_2p.jpgを引いてリーチをかけた。このリーチに対し、小池はドラを重ねて前に出たい形になるがなかなかテンパイまでこぎつけない。意外と長引いたものの石田は高目のpai_s_1p.jpgを引き、裏ドラを1枚乗せてのハネ満。一発でトップ目の仲田に追いついた。



続く東2局は対局者が技をみせた。
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まず、西家の小池。pai_s_sha.jpgは役牌だが、場に1枚切れていて暗刻にするのは難しそう。タンピンにしてドラのpai_s_3s.jpgを使えれば、ということでpai_s_sha.jpgのトイツ落しに出た。次巡、pai_s_6m.jpgpai_s_7s.jpgと引いたことで一気にアガリが現実味を帯びてきた。

一方、石田の手牌は打牌選択が難しい形となる。タンヤオ、チートイツ、三暗刻、イーペーコーなどがみえる手牌である。
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ここで石田はpai_s_3p.jpgを選択。これが後に色々な影響を及ぼすことになる。3巡後、石田は再びpai_s_3p.jpgを引いてこれをツモ切り。場にpai_s_3p.jpgが2枚出た。

その直後、東家・愛内の手牌がこうなる。
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pai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpg、さらにpai_s_2m.jpgpai_s_3m.jpgとあり3メンツは見込める形。残り1メンツをどこに求めるかだが、愛内からpai_s_3p.jpgは3枚みえている。普通なら一番残したいpai_s_4p.jpgだが、pai_s_3p.jpgが薄いなら持つ意味も薄れpai_s_4p.jpgを捨てた。ここで残したpai_s_8s.jpgpai_s_7s.jpgを引き、小池同様pai_s_6s.jpgpai_s_9s.jpg受けができた。

が、最初にテンパイを入れたのは石田だった。
東2局10巡目 南家・石田
pai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_9s.jpg ツモpai_s_6m.jpg ドラpai_s_3s.jpg

ツモり三暗刻テンパイだが、pai_s_9s.jpgが場に2枚飛んでいるためヤミテン。pai_s_5m.jpgツモに期待しつつ、pai_s_4m.jpgpai_s_7m.jpgツモでイーペーコー形に変化してのリーチを待っていた。

が、ついに小池にテンパイが入る。
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さらに東家・愛内が追っかけ。
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ともにpai_s_6s.jpgpai_s_9s.jpgがアタリになる形(小池はpai_s_3s.jpgもアタリ)である。テンパイしていない仲田は当然オリ、弱い待ちの石田も回らざるをえない。結果、この勝負を制したのは愛内だった。高目のpai_s_6s.jpgを引いて4000オール。戦線に復帰するアガリとなった。

一方、同テン、というか愛内より良い待ちを引き負けてしまった小池。一度も放銃をしていないとはいえ、この展開は非常に厳しい。良い手順を踏んでいるのに、結果が伴わない。トップ取りの麻雀だと、この後はかなり強引な打ち方を余儀なくされるため、このままズルズルいってしまうケースが多くなるのだ。頼みの綱は小池はラス親ということ。この泥沼状態から脱することはできるか?



東3局2本場。トップ目の石田の親を蹴りに愛内が動く。そうこうするうち、石田の手が超ド級のテンパイが入った。
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イーペーコー確定のpai_s_1s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_6s.jpg待ち。ツモれば親倍確定のテンパイである。トップ目からこれをツモれば決定打になったはずだ。

だが、一方でラス目の小池も345の三色のテンパイ。
東3局3本場14巡目 南家・小池
pai_s_4m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpgpai_s_9m.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_ton.jpgpai_s_ton.jpg ツモpai_s_5p.jpg ドラpai_s_4p.jpg

当然のpai_s_4p.jpg切りリーチである。すぐ石田がpai_s_6m.jpgを掴んだ。当然、止まるはずもなく小池のアガリ。安めではあるものの裏ドラ1枚が乗って5200点となった。トップ目の石田からラス目の小池への放銃となったため、全員の点数が一気に縮まった。

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トップ目・石田(右)から直撃した小池(左)

一気に混戦模様になった東ラス。ここから抜け出したのが愛内である。
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ホンイツも狙えそうな形だが、チートイツ向きの場と判断した愛内は一本に絞る。場の状況と自分の手牌から、pai_s_1m.jpgpai_s_8m.jpgが非常によい待ち候補になりそうだった。

東4局1本場9巡目 南家・愛内
pai_s_1m.jpgpai_s_2m.jpgpai_s_2m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpgpai_s_pe.jpgpai_s_pe.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_8s.jpg ツモpai_s_5m.jpg ドラpai_s_3p.jpg

期待していたpai_s_8m.jpgは脇に流れたが、理想のpai_s_1m.jpg待ちでテンパイした愛内はノータイムでリーチ。期待どおりpai_s_1m.jpgは山に3枚おり、すぐにツモアガった。裏ドラは乗らなかったが1600・3200のアガリで一歩リード。このアガリは実況席もコメントも絶賛の嵐だった。
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一方、トップを奪われた石田も負けてはいない。すぐさま789の三色リーチで反撃に出る。
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小池のドラポンや仲田の仕掛けもあったが、石田は小池から高目のpai_s_6s.jpgを討ち取り、愛内のトップにせまっていく。

が、次局。石田の判断に疑問の声が挙がる。
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5巡目、石田が打pai_s_2s.jpgとした直後、小池から出たpai_s_chun.jpgにポンテンをかけなかった。

このあたり生放送のコメント欄では「ポンテンをかけないのはヌルいのでは?」という意見も出た。たしかにトップ目の愛内が親だけに、局を流す意味も大きい。そのあたりをどう考えていたのか。直接、石田にインタビューしてみた。

石田「この局のテーマは愛内さんの親を落とすことだと最初は考えました。なのでドラのpai_s_9s.jpgの切り出しも早いです。『とにかく先制を』と思ってました。だとするとpai_s_chun.jpgポンテンのカンpai_s_5s.jpgテンパイにとるのが自然だと思います。ただ、この形のポンテンは取った後の待ちが不安定であるのと、手の中の牌で周りの三人に対応できるとは思えませんでした」

石田は先にpai_s_2s.jpgを捨てていることもあり、リャンメンへの変化はpai_s_7s.jpgを引いたときのみ。さらに手中にヤオチュー牌はなく、たしかに守備力は低そうだ。

石田「それに相手が相手なのでこのpai_s_chun.jpgのポンに誰も降りないであろうと思い、ここは門前で間に合わないならば残りの二人に親を落としてもらい、次の親番にかけようと思いました」

石田の仕掛けはドラを捨てていることもあり、「早くて安い手」は濃厚。そうなると仲田、小池はもちろんトップ目の愛内も攻撃してくる可能性はある。自らを危険にさらすのではなく、相手を利用して親を迎えようと考えたのだろう。ただ、決して他力本願だけではなかったようで

石田「特に親以外からのリーチがいつきてもおかしくないなっと感じたのもあります。ならば門前で戦える形を作る。門前なら戦うが、鳴いてこの形で戦った後にどんな結果だろうと親をむかえるより、門前できちんと冷静に戦って親番をと思いました。ここは鳴いて戦うところじゃないという私の判断でした」

結果、仲田にリーチがかかり石田はオリ。親の愛内は粘ってテンパイを入れ、石田との点差を広げられてしまったが、自らの判断だったので悔いはなかったに違いない。その石田の我慢は親番で実る。



南3局。仲田がpai_s_1p.jpgをアンカンしてドラが2枚みえのなか、トップめ愛内が勝負を決めるリーチをかける。
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だが、このpai_s_3p.jpgpai_s_6p.jpgが非常に薄くなかなかアガれない。そうこうする間に親の石田が追いついた。
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pai_s_6s.jpgが先行リーチの愛内の現物だけにヤミテンする手もあるが、2900で交わしても決定打にはならないと判断した石田は追っかけリーチ。これに仲田がpai_s_6s.jpgで飛び込んだ。pai_s_6s.jpgは愛内の現物、さらに石田の捨て牌にpai_s_3s.jpgがあり、場にpai_s_8s.jpgが3枚見えたところでpai_s_6s.jpgpai_s_9s.jpgがワンチャンスという状況。そもそも仲田の手はトイツ・暗刻が多い手詰まり状態。もしかしたら「愛内の現物待ちなら追っかけリーチをかけないかも…」という淡い期待もあったのかもしれず、このpai_s_6s.jpgを止めることはできなかった。裏ドラがのって18000点のアガリで石田が一気にリードを広げた。

だが、次局、愛内がさらに差し返す。メンタンピンツモイーペーコー裏1の3000・6000。これで石田をまくって再びトップ目に返り咲いた。
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実はこの局、先にテンパイを入れていたのは石田だった。
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石田はここでヤミテンを選択。「安い連荘をしても相手にチャンスを与えるだけ」と思ったのだろうか。だが、ここのヤミテンは小池の手を進めさせた。おそらく愛内は石田のリーチに関係なく、真っ直ぐ前に出るだろうからイーペーコー確定のpai_s_5s.jpgpai_s_8s.jpg待ちテンパイが入るだろう。ただ、愛内のリーチ宣言牌を小池がポンして捌きにきている。もし、石田が即リーチなら小池が前に出ない可能性もあるので、また別の結果になる可能性もあるのだ。

ただ、この局面でのリーチがよいか、ヤミがよいかの絶対的な正解はないと思う。そこで石田が闇にした理由と、ツモられたときの心境だけインタビューした。

石田「これが自分の中での敗因だと思います。pai_s_5p.jpgが入った場合、テンパイ即リーチしてたかもしれません。234を見たのはもちろんですし、ドラのpai_s_sha.jpgが1枚しか見えてません。そこで私がとったのはヤミテンでした。どこからかアクションが入ればpai_s_hatsu.jpgの対子落としをする。pai_s_4m.jpgを持ってこればリーチ。ただそれは普段打ちなれているAルール(一発裏ドラなし)だったらの話で、最強戦のルールで半荘1回勝負ならリーチすべきでした。しかも対局前に今日の目標は攻めて勝つことと話したので、これはリスクや対応など考えずに親の先制リーチだったと思います。馬場さんにも言われました。『あそこはもうテクニックではなく、攻めて勝つと言ったならリーチすべきだ』と」

正解不正解ということではなく、自分のスタイルを押し通せなかったことが敗因になったというこtなのだろう。

石田「ただ、ハネツモされた時にすぐ思ったことはまだ1局ある。もう1回逆転する。としか考えてなかったです。負けられないって思ってました。なので全てが終わった後に色んな局を思い出して、悔しくて涙が止まらなくて大変でした(._.)」
その石田の言葉どおり、オーラスは愛内が競り勝ち優勝。これで昨年に引き続き、女流プロ代表決定戦の座を射止めた。昨年よりずっと進化しているという愛内が和泉由希子・清水香織・渡辺洋香という打ち手を相手にどう立ち回るかに注目したい。
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