日本の社会で、不思議な現象が起こっている。
一般的に、官界、経済界。メディア等上に行けば。知的水準が高いと思われる。しかし、官界、経済界。メディア等上に行けばいくほど、日本社会の持つ問題について、本質論を避ける。そして本質から外れた詭弁を守り、集団的自衛権、TPP原発再稼働、消費税等を支持する。原発であれば、最大の問題は地震に対する安全性であるが、この論は必ず避ける。集団的自衛権では、自衛隊を米国戦略に使う事の是非であるがこれは避ける。TPPであれば ,国家主権を侵すISD条項は避ける。どうしてこんな現象が起こるのか。
これを見事に札名するのが、米国の心理学者フェスティンガーが持ち出した認知的不協和論である。
代表的ケースに「喫煙者の不協和」がある。
認知A:Xは喫煙をしている認知B:「煙草を吸うと肺ガン等病気になりやすい」という説がある。
Xは「煙草を吸うと肺ガンになりやすい」こ
コメント
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学者と言うのは、現象に対して仮説を立て、その妥当性を証明することにより、世間に認められ、それによって職を得て、生活するという、1つの職業である。世の中には「掃いて捨てる」ほど、仮説があり、学者が存在している。仮説が原理として認められることは稀である。学者や仮説を知ることがどうしてそんなに嬉しいのだろうか。「認知的不協和論」なんて改めて恐ろしげな名称を聴けば何か全く新しい知恵かと思うが、そんなことは昔からほとんどの人が知っていたことである。政治家、官僚、メディアのお兄ちゃんたちが、あることに目をつぶり、他のことだけを大げさに説くのは保身上の自衛手段だろう。ある種のメディアは、政府に反対するデモに12万人集まったと言情報を、明らかに誇張であると知りながら、「主催者がそう言っている」という形で責任逃れしながら、報道する。それも「認知的不協和論」で説明できるね。別にびっくりするほど、ユニークな理論でも何でもないけど。そんなことを紹介して、孫崎氏は彼の本が売れたり、講演依頼が増えたりすることを期待しているのだろうか。ペーソスを感じるね。人生の終わりが彼にも近づいているということに過ぎないけど。
(ID:41518894)
投稿が遅れたが,これまでの投稿を拝見するとやや高尚な学術的な見地からの論で,少し的がずれているように感じたので遅ればせながら投稿.
少し生臭く現実的に考えれば,認知的不協和論の応用は,多分,戦争の前線に立つ兵士が,平気で人々をためらい無く殺戮出来るようにするような,人間改造のトレーニングに応用されたのではなかろうか.普通の神経の持ち主であればそう簡単に人を殺す残虐なことは出来ない筈だが,認知的不協和論の応用で,相手は害悪を及ぼす虫けらであって,それを退治することで全世界に我々は平和をもたらす事が出来るのだ.
と言うような観念を精神に強く植え付ける事で認知的不協和を解消させ,兵士を殺人ロボットへ改造する方法に応用したのでなかろうか.アベ政権が日本を戦争出来る国に変えれば,まず自衛隊からこの悲惨な状況・障害・問題が生じる気がする.そのような事を生じさせない為にも,憲法違反の「戦争法案」は廃案しかない.(2015年9月7日)
(ID:11773811)
孫崎さんのツイッター、ブログ、そして、著作をいつも拝読していますが、本当に勉強になりますね。そして、このすごい時代にあって、主張に一貫したものがあります。こういう一貫性は、他に類を見ないですね。そして、これだけが、歴史の試練を越えて、残っていく言説だと思う。こういう貧困国にあって、孫崎さんのような稀有な言論家をもてていることは、まさに僥倖だと思っております。
今回のお話しもためになります。本当の学者というものが、どれほど鋭い感性と良心を持っているかということ。これに対して、利害関係のなかにどっぷりとつかっている人間はいくらでも変節し、自らの知性さえ喪失できるということ。こういう「人間」というものをえぐるような考察はとても重要であり、また、理解の窓になります。
世界を変えたり、「良い方向」へ向かわせたり、ということを語る人間は、いったん権力につくと必ず利害のために権力を濫用するものですが、そのメカニズムを解明するには認知的不協和の理論は非常に切れ味がよいということが今回よく分かりました。
早い話し、人間は、自分の都合のよい話しは受け容れたがるということですが、この傾向を乗り切れる人だけが、真の自立、自尊、自由を得られるのでしょう。
利害はいくらでも人を残虐にかえるのです。