2000年代以降、日本社会は至るところで荒廃してきた。

瀬木比呂志(1979年以降裁判官、2012年明治大学教授に)著『絶望の裁判所』より。

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良識派は上にはいけないというのは官僚組織、あるいは組織一般の常かもしれない。しかし、企業であれば、上層部があまりに腐敗すれば業績に響くたら、一定の自浄作用がはたらく。ところが、官僚組織にはこの自浄作用が期待できず、劣化、腐敗はとどまることを知らない。

私が若かったころには、裁判官の中には、まだ“生涯一裁判官”の気概があり、そのような裁判官を、尊敬する気風も、ある程度は存在していたと思う。

裁判官のなかには、確かに、品性のある、紳士の名に値するような人物もかなり存在したと思う。

しかし、2000年代以降の裁判所の流れは、そのような気概や気風もほぼ一掃してしまったように感じられる。

現在、マ