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米連邦準備理事会(FRB)は量的緩和縮小を加速する決定。問題は、世界経済に米利上げの前倒しを受け入れるほどの回復力がないこと。世界の債務は9月末296兆ドルと一年に6%増、GDPの350%。わずかな利上げでも利払い負担が急増、景気が冷え込む恐れ。
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随想75 絶筆③ 松本竣介 「彫刻と女」と「建物」
コメント
次の話に行く前にひとつ忘れられないエピソードを話しておく。
わたしがウイグルのことを話していたら、少数民族が吸収されていくのは歴史の必然ではないかというような反論をしてきたヒトがいる。
私は驚いた。ただでさえ、21世紀のいまそういうことを恥ずかしげもなくいうヒトがいるとは。
しかも、ウイグルは、クルドほどではないが、沖縄よりもはるかに大きな大民族だ。
漢族とはちがった伝統、文化、宗教、言語をもつひとびとだ。
この人ほどではないが、ウイグル等の問題を米国がらみで「しか」考えられないヒトビトは多い。失礼ながら孫崎さんもここの記事を拝見する限りはそのひとりだとおもっている。
さて、上で
「清朝」は満州族とモンゴル族が連合してつくられた帝国だったが、1882年に清朝ははじめて「新疆省」を置き、漢族を統治に関与させた。漢族が東トルキスタンの支配に関与したのは清朝ではこれがはじめてだった。
という趣旨を書いた。
この変化はなぜおこったのだろうか。容易に想像がつくように、これは列強の清帝国への侵略が原因である。
1884年にはベトナムの支配権をめぐって清仏戦争がおき、このときフランス艦隊は台湾を封鎖した。これに衝撃を受けた清は1885年に台湾省をはじめて設置している。
このころまで、新疆も台湾も「満州族とモンゴル族が連合してつくられた帝国」である清にとっては、辺境でしかなく、清は台湾を経営する意図はなかったのである(台湾全土を最初に経営開発したのはのちの日本)。ところが列強が南から清をおびやかしてきた結果、清は辺境の国土を防衛し、西洋式の「国民国家」をつくる必要にめざめ、そのために連合の相手を漢族にかえたというわけである。日本でも「国民国家の形成」「辺境への関心」は同じころにおきている。
だが、清に服属していた(漢族に支配されていたのではない)モンゴル、ウイグル、チベットなどの民族にとっては、これは聞いてないよという話だった。さらにその後、漢族は清を倒し、さらに清の支配地域全体が自分の領土だと主張しはじめる。
これはたとえば、イスラエルがオスマン帝国全体の領土を主張するのと、まったく同じではないが似ている。周辺諸民族がそれで納得できるのかというはなしである。独立運動は必然的におきるのである。
文化大革命といえば、漠然としたイメージしかないひとびとも多かろうが、このとき、南モンゴルで知識人をはじめ多数が殺され、漢族に土地を奪われている。その後は原爆実験の放射能のために多数のウイグル人が死傷している。そのもうちょっとあと、チベットで僧侶が白昼の道で抗議の焼身自殺をしたりダライ・ラマがチベットの惨状を世界に訴える活動をした。そして今のウイグルである。漢族の侵略はこのように続いているのである。
もうちょっと続く。
これはたぶんわたししか言ってないはなしだとおもうが、わたしは新疆省(1882)と台湾省(1885)が同じころ設置されたことを重視している。それらは漢族が清朝の中心に躍り出てのちに結局「中国」を支配する嚆矢となった一連のできごとのなかにある。新疆と台湾とそういう等価性があるのだ。
このことは、もちろん米国の戦略家は知っているのだとおもう。そのうえで、米国は「外交ボイコット」を呼びかけているのだろう。
その含意はズバリ「台湾で中国がよからぬことをすれば、台湾では米国はそれを防衛できないが、その一方台湾と等価のウイグルでよからぬことがおきるよ」だ。もちろん「人権問題」は米国にとって口実にしかすぎないのだが、そんなことは世界中知らない人はいない。
わたしとしては、「人権問題」についての米国のダブルスタンダードがどうこうというような話よりも、今回は、これで中国の台湾侵略がとどまるかどうかが関心事項だ。
日本が「外交ボイコット」に賛成するかどうかは、きわめてむずかしい選択だとおもうが、その中心は「外交ボイコット」が習近平を敵にまわすのか、それとも中共全体を敵にまわすのかという問題だと考えている。さらに、習近平を敵にまわしたほうが得なのか、敵にまわさないほうが得なのかという問題も、中国内部の権力闘争にからんでおきてくる。
過去の例を考えると、日本はこういうとき結局明確な態度は示さないで、悪く言えば優柔不断な対応をとっている。わたしは、それが日本の知恵であり、今回もそれでかまわないとおもっている。
(ID:18367902)
<外交交渉は泣き言は通用しない。非情な世界である。>
どの国も自国の領土拡張・経済的権益をかけて相手国と交渉するのであって、きれいごとはあり得ない。相手の弱点をとらえて、相手を責め、国際社会の同意を得ながら勢力の増大を図るのであって、内紛とか人権は取り上げられることが多い。同盟を結んでいても,権益に反すれば、軍事力・経済力を持って威嚇・恫喝してくる。
弱肉強食は絶対的になくならない。民意が高い低いの問題でなく人間の性とみなすべきでしょう。どのように対処していくかが民族の優秀性に直結する。感染症も民族がどのように対処するかであり、民族によって対処方法が違って当たり前、どの方法が正しいかでなく、民族の納得性が重要であり、納得しなければデモなどが多発する。