芥川龍之介について記述した際、キリスト教迫害に関する『おぎん』を引用しました。しかし、キリスト教迫害に関する著作に言及した際に、遠藤周作作『沈黙』に言及しない訳にはまいりません。
長崎には日本二十六聖人記念館があり、「キリスト教を信じることを禁じる政策が行われる弾圧の時代を迎え、ここ《西坂の丘》が26聖人をはじめとするキリスト教徒の殉教の地となる」と紹介されています。ここには舟越保武の記念碑があります。
こうして殉教者をしのぶことが大勢になっている中、遠藤周作は棄教者を扱いました。ウィキペディアに「あらすじ」が出ていますので引用します。
「神の栄光に満ちた殉教を期待して牢につながれたロドリゴに夜半、フェレイラ(かつての師、今は棄教)が語りかける。その説得を拒絶するロドリゴは、彼を悩ませていた遠くから響く鼾のような音を止めてくれと叫ぶ。その言葉に驚いたフェレイラは、その声が鼾などではなく、拷問
随想64 遠藤周作著『沈黙』
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コメント
コメントを書く(ID:18471112)
> 安保闘争を行った人々が、一般社会人の中にはいっていったのもそうでしょう。
今や安保闘争の正体をご著書等で それなりに知っている以上、彼らの多くには「棄教」する程の確たる理想/信念など端から無かったと推察する次第。誰かが自民・塩崎氏を「ああ見えてバリバリの安保闘士だったんですよ、信じられないでしょ(笑」と評していた記憶も蘇ってきた。「一億総懺悔」も勝手な創作だろう。「一億総」になるわけがない。つまり、本物の「信念」だったら、加えられる圧力に たとえ屈して「棄教」となっても、その後「のうのうと」生きていく選択肢は無い。自死しないまでも、生涯PTSDに苦しむだろう。森友事件で犠牲となった赤木氏、イラク/アフガン戦争の最前線から帰還した米兵が実証済みだ。
「棄教」した後、「いけしゃあしゃあ」と生き続けている類の「信念」とやらは、元々インチキ、イカサマだったということだ。
だが、断っておく必要があるのは、係る「信念」は自ずと反体制/反権力の性格を帯びるということだ。
>「許された空間で許される物的、智的豊かさを享受すればいい」
これが自分の「信念」だと嘯く輩もいる。アングロ・サクソンに何処までも付従うのが「信念」だった方もおられたようだが、彼等は皆、それで圧力が加わるとしたら即時「棄教」が目に見えている。要は、こんなものは「信念」と書いて「処世術」と読むのが正しい。
(ID:19005377)
1.科学者にとっての科学
2.政治家にとっての信条
3.信者にとっての宗教
上記の三つとも、事情は似ていると私は考えてます。真面目な人には叱られるかもしれません。特に宗教では叱る人がいるように思います。
1.のケースでは、米国では製薬絡みで昔から科学者弾圧が頻繁に起こってます。大々的に売り出していてドル箱になっている薬に致命的な病気を引き起こす物質あるいはウイルスが含まれていることを発見した科学者はどうなるか?その論文とデータについて激しい論争が起こればいいが、業界カルテルが撤回を強制する場合があります。拒否すれば殺される場合もあるのです。命はやはり大事です。
2.のケースで信条を捨てれば、殺さない、となれば、信条を捨てます。状況が変われば、リベンジ出来るのです。
3.のケース。棄教すれば助かるとなれば、さっさと棄教し、臥薪嘗胆に徹する。
(ID:18471112)
採り上げ恐縮です。「信念」はさておき、私などは「棄教」してPTSDが精々で、そんな のっぴきならない状況に遭遇しないことを祈るばかり。この種の話には、例えば、かつて山手線のホームから転落した人を助けようと、恐らく「犬死に」覚悟で線路に降りた韓国の留学生等も脳裏を過ぎります。