コロナ下で、五輪をどの様に開催するか否かは、この国の政治のあり様を示す形となっている。安倍前首相は月刊誌「Hanada」で、東京五輪について、「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」「自由と民主主義を奉じる日本がオリンピックを成功させることは歴史的な意味があり、日本にはその責任がある」と述べた。五輪の今夏開催に反対する人々の発言は明瞭である。「世界各地でコロナの感染が拡大中であり、幾つかの変異株が生じている。この中、東京五輪の開催は日本及び世界に感染を拡大させ、多くの人命を失わせる結果になる可能性がある」点に限定されている。国の威信を傷つけようと発言している反対者はいない。
選択は明確になってきている。一方に何らかの目的のために国民の生命の犠牲が生じてもやむをえないとみる層と、国民の命を最優先に政治を行うべきとみなす層の対立である。
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東京都コロナ感染拡大。新規感染者は緊急事態発出の水準。政府「東京、4回目の緊急事態へ 8月22日まで」。対応策の最有力はワクチン接種。感染の主力、65才以下への接種の目途つかず、感染抑制は多分困難。重大な状況下、新聞各社本件への社説なし。社説の形骸化。
コメント
>>4
おれと意見の違うやつは反日だ、というやつは右のほうを
みればいくらでもいるじゃありませんか。
ここに参加している人の中でもひとりいますよ。
こういう人はまともな相手をする値打ちはありません。
フレディさんがそれをしていますが、ご苦労なことだと
いつも思っています。
孫崎さんは、最初に、
五輪の今夏開催に反対する人々の発言は明瞭である。「世界各地でコロナの感染が拡大中であり、幾つかの変異株が生じている。この中、東京五輪の開催は日本及び世界に感染を拡大させ、多くの人命を失わせる結果になる可能性がある」点に限定されている
と述べている。「限定されている」と述べている。しかし失礼ながら、これは明らかに嘘である。
もともとチャイナ肺炎騒ぎが起こる前から五輪開催に反対していたヒトビトはいた。反対論の中核にいるのはその人たちである。この人たちが、相手を黙らせる格好の手段として今はチャイナ肺炎を持ち出しているだけである。東京五輪組織委の会長だった森喜朗の辞任騒動のときは、理由はチャイナ肺炎ではなく、「女性の人権」だった。しかも精査してみれば、森氏の発言は女性蔑視といえるものではなく、切り貼り報道によるものだった。要するに、難癖をつけることができればなんでもいいのだ。
森友問題でも、最近赤木ファイルが公表され、赤木さんら現場のひとびとは値引きをおかしいものとはおもっていなかったことが明らかにされた。追究する野党や朝日新聞などからすれば、安倍政権に難癖をつけることができればテーマはなんでもよかったのであり、その同じ構造が五輪にもみられるとおもう(ここでは余談だが、野党や朝日新聞は、赤木氏の自殺に間接的に責任があるのに、頬かむりだ)。
「国の威信を傷つけようと発言している反対者はいない」「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」かどうかはわたしには断定できないが、少なくとも、日本の政治が混乱することで利益のある勢力、混乱させようとする勢力が野党や新聞のさらに背後にいるだろうとは想像している。
こういう勢力は、目的のためなら天皇も利用する。天皇は感染拡大を心配したのであり、五輪に反対する意思を明らかにしたわけではない。それを天皇をまったく敬愛していないヤカラが、天皇まで反対しているのにと利用する。
わたしがひとつ楽しみにしているのは、いま五輪開催に反対している連中が、北京五輪のときには、どういう態度をとるかという点だ。北京五輪も、もうあと半年くらいで開催予定だ。「感染者数」が問題にされているが、感染者数でいえば、この冬、減りはしないとわたしはみている。その予想があたったとき、連中は北京五輪中止を叫ぶのかどうか。
とはいえ、感染拡大は重大な問題であることに違いはない。
わたしは、開催するなら無観客とすべきだろうとおもっていたが、政府に自信があるなら有観客ですればいい。失敗すれば最終的には政治的責任を問われることになるだろう(やや余談だが、この問題には小池都知事も東京のトップとして当然責任があるが、スッと身をかわしているようにみえる。信用できないやつだとおもう)。
全体的に見れば、もはや緊急事態宣言等にはたいして効果がない。若年者(ここではおおむね50台以下を考えている)はもう飽き飽きしているだけでなく、若年女子の自殺が増えていたり、飲食店の倒産が増えていたりなどの実害もある。その観点からすれば、五輪が開催されなかったとしても、そろそろ転換点なのだろうとおもう。
(ID:18367902)
東京都感染者増大傾向というが、コロナ対応で重視されたことは、「なんであったかの原点」がどこかに飛んで行ってしまった。
ワクチンのない間は、「重症化し死亡者が増える医療崩壊」を防ぐことではなかったか。
ワクチン接種が始まれば、50代までの若年層は重症化しにくいし、死亡者がほとんどいない。65歳以上にワクチンを優先し、重症化率と死亡者率を減少させようということでなかったか。
この目標は、ワクチン接種の促進が予定通りに進み、重症化率と死亡率の減少が明確になっていると同時に、高齢者の感染割合が10%強から5.2%とほとんど半減している。
感染者が500に増えたからといって、東京都の人口1,400万人弱であり10万人当たりに換算すれば3人ぐらいにしかならない。インフルエンザの例年の感染者と比べて多いとは言えない。従来の通り、重症化と死亡者が減らなければ感染者増は問題であるが、重症化と死亡が減少していれば、この程度の感染者で「無観客」というのは情緒的すぎる判断ではないか。
ヨーロッパではサッカー欧州選手権、米国では大リーグでは大谷選手が大活躍し日本人に元気を与えている。日本では、プロ野球、大相撲、高校野球が予定通り開催されている。オリンピックだけが違う基準で考えなければならないか、摩訶不思議である。