・バイデン政権がトランプ政権と異なった外交政策を実施する可能性の一つとして、しばしばイランの核合意問題がある。結論として言えば、合意が成立する可能性は少ない。
・まず核合意の流れを見てみよう。
「イランの核兵器開発を大幅に制限する合意。イランと6カ国(米・英・仏・独・ロ・中)20157月に結ぶ。合意内容は、イランが濃縮ウランや遠心分離機を大幅に削減し、これを国際原子力機関(IAEA)が確認した後、見返りとしてイランへの経済制裁を段階的に解除するというもの。185月トランプ政権は、核合意に弾道ミサイルの開発規制が盛り込まれていないこと、核開発制限に期限が設定されていることなど理由に離脱」。
・米国を除く諸国は、中東の混迷の中、イランが核保有国になると、イラン・イスラエル関係が一段と緊張し、さらにサウジなどが核兵器を持つ路線に切り替える可能性があり、これを阻止することが極めて重要であると判断し