人の世の儚さを歌った名詩は幾つかあります。漢詩の代表的なものは「代悲白頭翁(白頭を悲しむ翁に代って)でしょう。「歳歳年年人同じからず」はしばしば聞くフレーズですが抒情性豊かな詩の一部です。劉希夷(唐、651-679?)の作です。
洛陽城東桃李花 洛陽城東 桃李の花、
飛來飛去落誰家 飛び来たり飛び去って誰が家にか落つ。
洛陽女兒惜顏色 洛陽の女児 顔色を惜しみ、
行逢落花長歎息 行々落花に逢うて長歎息す
今年花落顏色改 今年 花落ちて顔色改まり、
明年花開復誰在 明年 花開いて復(ま)た誰か在る。
已見松柏摧爲薪 已(すで)に見る 松柏の摧(くだ)かれて薪と為るを
更聞桑田變成海
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コメント
道元・ハイデッガーなどを毎日読書していると、詩歌の世界の、俳句の世界が分かりやすい。
過去・現在・未来を具現化した眼前に展開する現象を「夢・幻」としてとらえれば、よくわかる話である。
時は飛去来すると捉えると、具現化した姿は、本来的に見ると捉えていない。とらえているのは人の心であり、「心の中に生きている」というべきでしょう。
人の心の中では、「過去・現在・未来」は分かれているようであるが、「過去・現在・未来」は一体的に心の中で、浮かんでは消え、浮かんでは消える。その繰り返しの中で毎日生活している。
この人間の本質をとらえて考えるならば、「前向きでなければならないが、前向きだけではいけない」。「歴史を注視しなければならないが、歴史にとらわれ過ぎてもいけない」。
物事に対して、「こだわりすぎる」、「とらわれすぎる」、「偏り過ぎる」心の特徴を把握して、物事を見ていくことの重要性を改めて実感する。
話は違うが、最近中国の習近平が「動脈瘤」という記事が見られ,石平氏が昨年と今年の人民日報の記事を比較しておられる。
動静がはっきりする「習近平氏の写真」が12月29日付という分析などもしており、病院に入院している確率が高いのではないか。習近平の動向がわかる人教えてほしい。
詩心は無いが、光景が瞭然と思い浮かんでくるのは昔 中国旅行で洛陽を訪ねたからだ。もう30年以上も前だ。いきなりカメラ不調で写真は一枚も無いが、それで却って目に焼き付いている。旧市街を散策しているとタイムスリップした気分だった。もはや今は そうはならないだろう。
何故 洛陽に行ったのか、杜子春に触発されたのか、竜門石窟、少林寺が目当てだったか、こちらは覚えていない。
> 誰がこのような「禍」を知り得ただろう。
ジャズマンetc.の訃報も相次ぎ、喪失感が募ります。仮にコロナが自然発生でなかった日には、それは怒涛の怒りに変わるでしょう。
孫崎さんはしばしばロシアの詩の名翻訳を披露されるのですが
今度は 漢詩てすか。
本当に教養豊かなのですね。
私などは以前スカンジナビア語の学習にはまった時期があるのですが
飽きが来て中だるみ、
今度はNHKのハングル講座がきっかけで朝鮮語をはじめて、これまた
中途半端。
何をやっても続かない男とカミさんにあきられるやらバカにされるやら。
孫崎さんのロシアの詩の翻訳をたびたび読むにつけ、ああ、
俺なんかとは教養の基礎力がまるで違うわと、ちょっと切ない。