私は1966年、ロシア語を学ぶために英国陸軍学校教育部隊のロシア語を学ぶグループにいた。総勢14名。ほとんどが軍人である。その中に英国外務省から派遣された二人がいた。一人はジョン・カー。後々駐米大使、駐EU大使、外務次官になった人物である。もう一人、30歳位のA。このコースでロシア語を習得したと認めらば、後々重要な任務に就くであろうし、軍人は多額の報奨金も与えれれることとなっていた。従って軍人達は学校に入る以前にロシア語を学んでいた。初歩のABCから学ぶのは私とジョン・カーとAの三人、常にクラスのビリ争いをしていた。
一年間の研修を終え、私はロンドン大学、Aとジョン・カーは在モスクワ英国大使館勤務となった。Aは家具を先ずストックホルムに送った。ここから陸送でモスクワに移送する手配となっていた。その時、突然在モスクワ英国大使が「Aのロシア語習得レベルは低い。こんな状況じゃ仕事にならないから
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随筆㉑ 忌避されたスパイ
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コメント
コメントを書く(ID:5468102)
映画みたいで面白いお話でした!でも、孫崎さんが、金銭的にぴいぴいしていた理由が気になります!外交官ってお金持ちになれるじゃないですか?
(ID:18471112)
あらましのご紹介は既にあったエピソードながら、実に味わい深い内容です。
> 常にクラスのビリ争いをしていた。
露語の知識もサッパリながら、英国人に比べ、日本人には遥かにハードルが高い言語でないか。
> Aの赴任拒否の理由は語学習得不十分ではなくて、Aの捜査能力への警戒だったのである。
これも「権力側が流すウソ」と見做せなくもない。この件では終いにはウソがバレ、めでたし々々となったが、世の中その種のウソで溢れ返っているに違いない。今のコロナ絡みでもまた然りだろう。
「さくら水産」、いいんじゃないでしょうか(笑
お仕事柄、「高級店に飽きてきた」「現地のローカルな食事を楽しみたい」等と勝手に察しますと、A氏には新鮮だったかもしれません。
A氏との交流も、期せずして日英間の貴重な「外交」に実ったようにお見受け致します。
そうした交流を持つ外交官、政治家は、今の日本に一体どれだけいるのでしょうか。
(ID:18367902)
「忌避されたスパイ」が表題であるが、孫崎さんが出会いを大切にされ、何十年も通信手段がメインであろうが、交流を継続されている姿は、年齢が近いせいなのでしょうか共感を覚えます。
私たちの時代は、兄弟が多く、皆が辛抱しながら、生活してきており、イジメなどは程遠く必然的に仲間意識が強い。小中高大を卒業しても仲間との交流は途絶えることがない。コロナが旅行など交流を妨げているが、早く仲間と自由に会える時が来るのを願いたい。