孫崎享のつぶやき

随想⑫カナダの教訓

2020/08/31 07:01 投稿

コメント:20

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私はイラン・イラク戦争の時、イラクで勤務していた。戦争が終わってカナダに赴任になった。カナダ外務省のアジア局長とは懇意になり食事も一緒にした。私はこの局長に次のように嘆いた。局長はフランス系である(そのことは重要な意味を持っているのだが)。

「オタワは素晴らしい。町は清潔だ。文化水準も高い。先日ベラフォンテを聴きに行った。ゴルフは出来る。スキー場も近くにある。家族は満足している。でもね、一寸不満なこともある。日本とカナダの関係は良好だ。外交的に何の問題もない。つまり私には仕事がない。これまでのソ連やイラクや英国などでは仕事は山のようにあった」

局長は笑いながら「あなたは馬鹿だ」と言う。私は驚いて「何故」と聞く。彼は次のように解説した。

「日本の外交で一番重要なのは対米外交でしょう。対米外交で一番苦労しているのはどの国ですか。カナダですよ。“米国との関係をどうするか”、我々位苦労してきた国は

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コメント

>>18
アパルトヘイト制裁で南アから殆どの企業が去ったことを忘れていました。思い出させていただいてありがとうございます。

今、アパルトヘイトを実行しているのがイスラエルです。だが、西側の国国はイスラエルを批判しません。トランプがイスラエルに倣ったのか、黒人、ラテイノに対してアパルトヘイトを実行しそうな鼻息です。トランプは元が不動産屋だから、黒人を忌み嫌うのは習性でしょう。今後、米国がアパルトヘイトの南アみたいになったら、日本のメデイアはどのように記事を書くんでしょうか。もう既にアパルトヘイトだと断定するフリーのジャーナリストがいますし。

今後、米国の社会がどう変容するのか、私の興味は尽きません。

No.19 51ヶ月前

南アフリカのアパルトヘイトにたいする嫌悪、それに伴う制裁は
欧米の民衆から沸き起こったものです、実は。
それがボトムアップして企業や政府を動かしました。
欧米政府などは長きにわたってアパルトヘイトなど真剣に非難しま
せんでした。

とくにイギリスのサッチャーなどは南アフリカ擁護の論陣をはった
ことをよく覚えています。
彼女は南アフリカ白人政権の良き友だったようです。
まあでも、どの国も西側諸国の政府はサッチャーと大同小異でした。

今、香港の民主運動に口角泡を飛ばしているのはお笑いぐさです。

No.20 51ヶ月前

ジョンソンの話はどこかで読んで知っていた。孫崎さん自身の著書で読んだのかもしれない。
最初に読んだ当時は、ジョンソンの凶暴性が印象に残ったとおもうが、いまふたたび考えてみると、たとえばトランプが、北京大学で中国の香港政策について批難の演説をするといったようなもので(あくまで大雑把に言えば。細かな点は無視)、そりゃまあ、習近平はいい気分ではないだろう。「つるし上げ」はしないにしろ。

カナダの立場を「正義」と孫崎さんが総括しておられるのも、そりゃ「正義」なこともあればそうでないこともあるのではないかと感じる。だいたい、カナダは米国があるために、かなり得をしているのではないか。メキシコはじめ中南米からの不法移民は、それこそ米国という厚い壁があるので、直接は来ない。先住民にろくでもないことをしたのは、米国と同じだろうに、米国ほどは目立たない。などなど。

孫崎さんが局長に言ったのは、わたしが勝手に意訳すると「カナダの、他国との外交は楽でいいですね」という感想になるが、この随想を読んでも、その感想は変わらない。ろくでもない国々に囲まれている(そのラスボスが米国)日本に比べると、寝ているようなものだとおもう。

No.21 51ヶ月前
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