ドナルド・キーンは一九二二年生まれ。ドナルド・キーンは1922618日生まれ。日本国籍を取得し2011年永住のため来日、 2019224日心不全のため東京都の病院で死去。

ドナルド・キーンは「日本の「随筆」とよばれるジャンルで、きらめくような才気煥発ぶりを発揮している作品といえば、誰もが清少納言の『枕草子』をあげるだろう」と高い評価を与えている。

そして、清少納言の個人について、「清少納言は少なくとも二回は正式に結婚しているが、それ以外にも、宮中の何人かの男性と関係を持っていた。枕草子には自分の情事にふれる部分がある」として、「冬の夜のいみじう寒きに、おもふ人とうづもれ伏して聞くに、鐘の音の、ただ物の底なるやうに聞ゆる、いとをかし」の部分を引用している。

「冬の寒さのなか、二人で埋もれ伏して鐘の音を聞き、逢瀬を楽しむのがおもしろい」である。ここで『枕の草子』の有名な