孫崎享のつぶやき

シンガポールで日ロ首脳会議。安倍首相は平和条約締結の意図。それは領土問題を最終的に決着させる意味を持つ。歯舞色丹を日本に返し、国後択捉をロシア領と認めることだ。選択はそれしかない。政府は誤魔化すのでなく正確に説明すべきだ。

2018/11/15 06:45 投稿

コメント:8

  • タグ:
  • 登録タグはありません
  • タグ:
  • 登録タグはありません

1956年の日ソ共同宣言は事実上の平和条約であった。つまり、ここでは、①戦争状態を終結決する、②友好善隣関係が回復される、③外交・領事関係が回復される、⓸ソ連は賠償請求権を放棄することが記載されている。

では何故平和条約と呼ばなかったからか。それは領土に関する合意が出来なかったからである。

ソ連は歯舞色丹を返す事には合意した。だが国後・択捉は自国領と主張した。日本側はこれを飲めなかった。サンフランシスコ講和条約で日本は千島を放棄し、吉田首相は国後・択捉は南千島と述べているから、日本政府は、①歯舞色丹を返す、②国後・択捉はソ連領で合意できた。これは許さないというダレス国務長官の圧力で実施できなかった。

今回平和助いう役を結ぶということは領土問題を決着するという点にだけ、意義がある。

それは①歯舞色丹を日本に返す、②国後択捉をロシア領とすることを日本が暗黙に認めることである

ここから先は有料になります

ニコニコポイントで購入する

チャンネルに入会して購読する

  • この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

コメント

>>5
追加、「即刻やめてもらいたい」、というのは本当にそう思うんです。山口県下関出身の芥川賞作家が安倍氏のことについて「扇情を感じない」といった趣旨のことを言ったんですが、安倍氏のプーチンさんとの話は本当に実を結ばない。安倍氏は去勢されているんじゃないのかな。一体、何のために安倍氏が逢引きを重ねるのか?反安倍だから、どうでもいいんだけど、何だか情けなく感じるんですが。そういう高揚しない気分が私をも襲ってくるので、やめてもらいたいと切に思うんです。

No.6 72ヶ月前

ロシアは領土を解決するつもりがあるのかという根本的なところでわたしは以前から疑いがある。
今回も、孫崎さんが示しているニュース源は日本側ばかりだ。プーチンがほんとうに返す気があるか、
こんな報道ではまったくわからない。プーチンが2島返還を明言したことは一度もない。

と、ここまででやめておくつもりで記事を読んでいたが、コメントで「北方4島はソ連が不当に奪った」という日本政府の喧伝を信じている人たちや」と書いているひとをみかけたので、続きを書くことにした。

No.7 72ヶ月前

北方4島はソ連が不当に奪ったのは明らかだ。事実経過は誰でも知ってるから詳しくは書かない。ただ、それに付随して、当時でも国際法違反のシベリア抑留や満州・北朝鮮地域での一般人に対する強姦(これはソ連軍だけでなく、朝鮮人も下手人であった)には触れておこう。それらに謝罪するでもなく、ロシア自身が「北方領土は戦争の結果ロシア領土になった」といっている。こういう言い草をサヨクが許して平気で、口先でも反論しないのだとしたら、今後永久に日本でサヨクが投票で政権をとれることはないだろう。

ではなぜ北方4島はソ連が不当に奪ったことが目立たないのかというと、ポツダム宣言やサンフランシスコ平和条約があるからだが、ポツダム宣言やサンフランシスコ平和条約において日本に対する相手は連合軍(=国連)であり、その中心は、少なくとも日本に対する限りは米国だ。

つまり、戦中戦後の日米関係における米国には①素の米国(トランプが make America great again というときの米国)のほかに②連合国(=国連)をまとった米国があるのだ。そしてサヨクは①の米国には反発するが、②の米国には反発できない。国連(=連合国)をなにか良いものとおもっているからだ。そして②の生み出したポツダム宣言や占領や日本国憲法やサンフランシスコ平和条約も良いものだと思っているからだ。日本も国連(=連合国)のいち員になれるのが嬉しくてしょうがないからだ。

しかし米国からみれば、①を少し拡大したものが②であるにすぎない。①が②を利用しているにすぎない。そして②はポツダム宣言や占領や日本国憲法やサンフランシスコ平和条約だけでなく日米安保条約も生み出している。実際これがたとえば日米安保条約と国連憲章の構造にもあらわれている(くわしくは、矢部宏治の新刊「知ってはいけない2」にも書いてある)。

北方領土問題でも、「北方4島は、米国が共同正犯として、実行犯であるソ連が不当に奪った」「それを、ポツダム宣言やサンフランシスコ平和条約等で正当化した」のであり、ほんとうに反米だというなら、当然、そこを問題にしなくてはならない。サヨクは反米が足りないのだ。

わたしは観念をもてあそんでいるのではない。②の米国にはあらがわず、①の米国にあらがうことしか考えないなら、百年たっても米国からの独立はできないだろう。これはいずれさらに詳論することもあるかもしれない。

もっとも、もし返還されるなら、2島でも、されないよりはいいとおもっている。そして、くやしいが、それ以上が返還されることはないだろう。結局のところ、わたしは、くやしくても、チカラの論理を認める。チカラとは結局のところ軍事力だ。

しかし、サヨクはそれは認められないだろう。そうすると、どうやって2島のみ返還を合理化するのか。

No.8 72ヶ月前
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細