渡部富哉さんの本稿筆者へのメールや「ちきゅう座」での薦めで、孫崎享氏の近著『日米開戦へのスパイ―東條英機とゾルゲ事件―』(祥伝社、2017年)を読んだ。
[スリリングな好著] 本書は、まるでサスペンス映画を観ているような気持ちになる、スリリングな本である。そのような感想をいだきながら、読み進めるにつれて、残るページが少なくなってくるのが「惜しいなぁ」と思いつつ、一気に読んだ。
本書の内容をあまり詳しく紹介すると、読者の楽しみを奪うことになると恐れる。ここでは、評者が本書に読み取った要点と若干のコメントを記す。拙稿をきっかけにして、本書を多くの方々に読んでいただきたいと思う。
孫崎氏は、本書で以下のような諸点を明確に史実でもって指摘し、従来の「ゾルゲ・尾崎事件」についてのイメージを一新する。
[(1) ソ連東軍の西部戦線移動はジューコフ元帥の進言による] これまでの理解で
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経済力で米国が上か、中国が上か、購買力ベースGDPでは中国の方が上。そして英国、ドイツ、フランス、豪州などは一般大衆は中国が上と認識している
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北朝鮮にどう対応すべきか。米国学者の一見解「我々は何故北朝鮮を承認しなければならないか」、著者ウォルドロンは ペンシルベニア大学教授、だが、米国は北朝鮮の脅威の存在こそ、日本、韓国を自己に引き付ける好材料とみなしている
コメント
当時の状況を分析した書物は非常に多い。たくさん読めば読むほどわからなくなる。それだけ謎が多いのでしょう。人間は一面性で生きているわけでなく、自己保身が働くので、なお、実態をつかむことができない。
共産主義の脅威を述べた「近衛上奏文」と、尾崎などを重要視した両面をみると、近衛氏の二面性を見ざるを得ない。
尾崎などが逮捕されるきっかけは、アメリカ共産党員の宮城与徳によるものであり、1928年以降アメリカだけでなく、日本政府や軍部の中枢部にソ連の影響が大きかったことと矛盾しない。
また、第7回コミンテルン大会におけるスターリンの演説が、「ゾルゲ、尾崎事件」の歴史的事実と符合する面が多い。
「ドイツと日本を暴走させよ。しかし、その矛先を祖国ソ連に向けさせてはならない。日本の矛先は蒋介石の中国に向けさせよ。消耗したドイツと日本に米国を参戦させよ」
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正しい歴史を知れば、醜い偏見や妄想、国粋主義等々を駆逐出来、政治も良くなって行くでしょう。遅ればせながら、私、Amazonに発注しました。