孫崎享のつぶやき

静岡県知事、浜岡原発の再稼働に、任期の四年間に中電から同意を求められても同意しない意向を明らかに。基準地震動を考えても地震国日本で原発は無理。だが今各地で再稼働の動き。そうした中で、再稼働容認しない知事の態度表明を高く評価。

2017/06/28 09:03 投稿

コメント:22

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A:事実関係:

二十五日投開票の静岡県知事選で三選を果たした川勝平太知事は二十七日、県庁での記者会見で、中部電力浜岡原発(御前崎市)の再稼働について、任期の四年間に中電から同意を求められても同意しない意向を明らかにした。川勝知事はこれまで、使用済み核燃料の置き場が無いことなどを理由に「再稼働できる状況にない」と主張していたが、不同意を明言したのは初めて。

B評価

・浜岡原発に対する懸念は①立地が地震と関連が高い(東海地震の予想震源域のほぼ中央にあり、活断層が直下にあるという説まで発表されている)。②事故が起こった時に壊滅的打撃を東海地方、更には首都圏に与える事が予想されることより、どの原発よりも懸念が表明され、かつ、反対運動も強かった。

・福島原発事故後も、浜岡原発には迅速な対応がとられた。

 201156日菅首相が全原子炉の運転停止を経済産業大臣の海江田通じて要請。これに対して中

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コメント

>>18
事実関係について一点注意を喚起しておきます。
現に原発があり、使用済み燃料がなかにおいてあったり、使用済み燃料を今後どうするかという問題があります。
これらは、「原発を停止しようがしまいが同じようにある問題です」←ここの理解がきわめて重要。

こういうのをサンクコスト」と呼んだりします。心理的にはともかく、経済学的に考えるなら、サンクコストは意思決定には影響を及ぼしません。どういう意思決定をしようが、サンクコストの分は意思決定にかかわらず同じように負担しなければならないわけですから。

ご参考になさっていただければ幸いです。

No.20 90ヶ月前

また、これも単なる事実ですが、韓国も台湾も脱原発が国是ですが、それでも再稼働もしています。ある時点で脱原発することと、それまでずっと原発を停止しておくこととは、別の問題です。

民進党はこの秋の臨時国会に2030年代に原発をゼロにする法案を提出する予定のようです。それは客観的に見てやや理想的な感じも私などはするのですが、かりに2030年代にゼロにできるとしても、それまでほとんどの原発をずっと停止し続けるのかという問題は別にあります。

さらに環境省などは2050年までに発電におけるCO2排出をゼロにすべきという考えのようです。わすれがちですが、CO2問題があるからですね。そうなると、日本の電力は省エネと再エネのみでなんとかしないといけなくなるわけですが、具体的なビジョンを描ける人はだれもいません。技術革新がおきないかなあ・・・といった感じですね。

ま、電力については一知半解で人のいうことを詭弁などとけなすようなことだけはやめて、こういうふうに具体的に考えるように、みなさんされたらいいとおもいます。

No.21 90ヶ月前

これは読んでもらえるかはわかりませんが。
どうもみなさんと話のつじつまがあってない気がしたんで、その理由をよく考えた上で、説明がてらもういっぺん書いてみることにしました。

2011の前からでしたが、2011以降は、日本では新しい原発建設はほぼ不可能になりました。既存の原発はいずれ耐用年数がくれば廃炉になります。つまり日本でも脱原発は法や政策としてはともかく、事実上は、いつになるかはわかりませんが、決まっていることです。まずはここをみなさんがわかってないんじゃないでしょうか。

そうすると、いま問題なのは、「脱原発をいつごろに定めるか」ということと、「それまでどのように電力供給をするか」ということで、そのなかで原発再稼働の話も論じられているわけですね。そしてここで重要なのは、 【原発をいま再稼働しようがしまいが】、 すでに原発はあっていずれ廃炉が必要だし、使用済み燃料も貯蔵されてて、結局はどうにかしなければならないということです。こういうものをサンクコストとよびます。

「トイレのないマンション」論だとか、「原発へのミサイル攻撃」論を言う人もいますが、原発停止を続けていても、すでに使用済み燃料はあるし、使用済み燃料にミサイル攻撃されれば甚大な被害はおきます(厳密に言えば稼働中にミサイル攻撃されたほうが被害は大きいですが、それはもはや比較に意味のあることではありません)。そう考えればわかることですが、これから原発をつくるならともかく、そうではない既存の原発を 【いまから、脱原発のときまで】 再稼働するかどうかの議論に対して「トイレのないマンション」論だとか、「原発へのミサイル攻撃」論をもちだすのは、論理的にかみあってないわけです。

さいわい人口減少と製造業の衰退がここではプラスして、電力需要そのものは増えていってないようですが、仮に原発を再稼働させなければ、そのぶんは大部分火力でまかなうほかはなく(ただしCO2問題もある)、その燃料代は最終的には電力料金や国民生活に反映されます。政策的に電力料金値上げには限界もあるでしょうが、国民生活のほうには、ほかの要因ともあいまって、ジワジワと影響がでるでしょう。その一部を具体的に高齢者医療と示してみたのですが、どうも感情的に反発するかたがいたようです。しかし、原発を再稼働させないならさせないで、それにはそれなりの覚悟も必要なわけですね。「安心」はただで得られるわけではありません。

そして目を世界に転じれば、2011以降、世界的に原発みなおしの流れはありますが、そのなかで、一帯一路をうちだした経済開発をすすめようとするなか、いずれは西部の地震多発地帯にも(すでにありますが、もっと多数の)原発を建設しようとしているのが中国です。日本の原発の危険性を強調するなか、こっちの危険性を気にしないのは、非論理的ですね。「人種差別」などとアサッテなことをいわれて、面食らいましたが。

言いたかったのはそんなところですね。最後に、私自身は原発停止政策には別に反対なわけではありません。

No.22 90ヶ月前
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