【No.30】東電が過去に公表した放射線データは全体の半分以下
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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
2015/4/12(No.030)
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[目次]
1.東電福島第一原発事故トピック
東電が情報公開方針を発表──これまで多数のデータを公開しなかった理由は不明
2.気になる原発事故ニュース
3.編集後記
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1.東電福島第一原発事故トピック
東電が情報公開方針を発表──これまで多数のデータを公開しなかった理由は不明
<測定データを公開しなかった理由は、わからない>
3月30日に東電は、原子炉建屋の西側(山側)に設置しているK排水路から外洋に流れ出ている水が降雨時に高濃度に汚染されている実態を把握しながらデータを公表してこなかった問題に関して、新たな情報公開の考え方を発表した。
発表によれば、放射線に関しては、今後は測定しているすべてのデータを公表していくという。公表方法や時期はまだ未定だが、廣瀬直己社長は「なるべく早く」公開したいと述べた。
東電は同日、原子力改革監視委員会(http://www.nrmc.jp/index-j.html)や原子力改革特別タスクフォース(http://www.tepco.co.jp/nu_reform/index-j.html)の会見を開催。14時からの原子力改革監視委員会の会見には、東電・原子力改革監視委員会のデール・クライン委員長(元米国原子力規制委員会委員長)のほか、バーバラ・ジャッジ副委員長(英国原子力公社名誉会長)、桜井正史委員(元国会事故調委員)、數土文夫・東電会長、鈴木一弘(原子力損害賠償・廃炉等支援機構執行役員)が出席した。
また15時からの原子力改革特別タスクフォースの会見では、廣瀬社長と、原子力部門の責任者になる姉川尚史(たかふみ)取締役が出席して質疑を行った。
発表された情報公開に関する取り組みは、次の3つだった(http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu15_j/images/150330j0201.pdf)。東電資料からそのまま引用する。
1.当社が福島第一原子力発電所で測定する全ての放射線データを公開する。
2.データはWEB等で広く公開し、特に社会的関心の高いものは会見等で解説 する。
3.新たな公開ルールと運用実績等は定期的に社外から監視・評価を頂き、 透明性・信頼性を高める。
(1)については、後述するように公表するのは放射線に関するものだけで、その他の情報はこれまで通り、東電が出すかどうかを判断することになる。情報公開のあり方としては、極めて不十分なものといわざるをえない。
(2)については、公開の方法および時期は未定という説明があった。できるだけ早くしたいという考えは示されたが、量が多いので時間がかかるという。
(3)については、どのような監視・評価体制を構築するかは未定だ。社外のステークホルダーによる組織になりそうだが、具体的には決まっていない。
以上のように、詳細はこれからなので実効性の評価はまだできない。廣瀬社長はこれらの方針を説明した際、原子力改革監視委員会から「社外目線をふまえた情報公開の精神が経営層、現場に浸透していない」と指摘されたと述べた。また、福島第一廃炉推進カンパニーの増田プレジデント、松本バイスプレジデント、福島第一原発の小野所長の3人に厳重注意したという。
ところで廣瀬社長は会見で、データを公開していなかった理由について問われた際、「どういうものが出ていないかわかっていないので、どういう理由でそう判断されたのかはわからない」と回答した。
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