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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
                   2020/6/2(No.72)
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【No.72】ドラマ『チェルノブイリ』を見たら日本の事故対応が残念に思えた
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新型コロナウイルスの感染拡大で出ていた緊急事態宣言解除が、5月末に首都圏でも解除されて、晴れて大手を振って外を歩けるようになる……と思っていたのですが、飲食店などへの自粛要請は続き、すっきりしない生活が続いています。おまけに関東地方は梅雨に入ったかのような雨がボソボソと降り始め、天気図を見るとほんとに梅雨前線が北上しているようにも見えて、その前に暑い空の下でビールを飲みたいのだ、と思い始めている今日このごろですが、皆様はお変わりなくお過ごしでしょうか。

新型コロナに関しては、毎日のニュースで食傷気味になっているとはいえ、重大事ではあるので厚労省の記者レクを聞くなどある程度の情報収集をしています。妙な論理で世論を2分したようなPCR検査の議論は、陽性率がある程度下がったことで余裕が出てきたように見えます。心配された死亡者数も、爆発的に増えたようには見えず(超過死亡者数をきちんと統計処理して検証しないと状況はわかりませんが、人工呼吸器やECMOの稼働状況を見ると逼迫している様子は見えません)、政府は対策が奏功したのだ~、と胸を張っています。

でも実際には、なぜ死亡者数が増えなかったのかは不明です。今のところ、詳しく検証をする様子も見えません。また感染者数についても、数が増えていないということは抗体を保有する人の数が少ないということなので、移動を緩和すればまた増える可能性が高いと言えます。実際、6月2日には増えつつあるようです。

しかし、ここでまた話が戻るのですが、死亡者数が少ない原因がある程度把握できれば、今までのような営業自粛をする必要はないかもしれません。だからこそ、現状分析が必要なのですが、どうも日本はそうした科学的な検証をしない風潮があります。安倍首相も、検証を後回しにする姿勢を見せています。

今、検証したら失策がバレるとでも思っているのでしょうか。与党の政治家は、自分たちが今の席にいる間は検証をしないつもりなのでしょうか。こんなことをしていたら、次の感染拡大期にはまた同じ政策を繰り返し、もしかしたら不要だったかもしれない経済的な破綻を次々に生み出す可能性さえあります。

今こそ、政治家や官僚が好んで使うPDCAを、言葉だけでなく実践していくことが必要なのではないかと思います。そんなことは誰でも思っているとは思うのですが、なにしろ福島第一原発事故の後でも、結局は検証がなおざりになったままなので、残念さだけを強く感じてしまうのです。

というわけで、中途半端な検証にとどまっている日本と比べると、チェルノブイリ原発事故はずいぶん早い時期に事故原因の検証が進んでいたのだなあと今さらながらに感心したのが、HBOのテレビドラマ『チェルノブイリ』でした。