第60回 あなたは堂々とした「鉄」のホニャララを疑うのか?
正しい知識は私たちの人生を豊かにする。素晴らしい知識に触れたい。恩恵に預かりたい。楽をしたい。得をしたい。ミスをしたくない。その一心で私たちは識者と呼ばれる人物を、実際なぜ識者と呼ばれるのか確認せぬまま、リスペクトしその声に耳を貸したりする。過日。恩師との待ち合わせに向かう私は某駅のホームで知識の実を求めた。快速特急、特急、特別快速、急行、準急、各駅…首都圏の鉄道は混迷を極めていて、部長代理と副部長の関係性さえわからぬ私には見分けがつかない。目的の駅に最も早く到達するにはどうすれば…途方にくれる私の耳に「えー次はー」と駅員の真似をする青年の声が福音のように聞こえてきた。
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