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【平直行「東方武術見聞録」】その7 日本的感覚〜日本的身体感覚(後半)

2014/08/01 13:50 投稿

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その7 日本的感覚~日本的身体感覚(後半)

人は目には見えない何かによって生命を維持して身体を動かす。生命を支える心も目には見えない。生命を維持するのに必要不可欠な空気も目には見えない。人は食事をやめれば生命を維持出来ない。食事が目に見えるからそのことを意識しても、空気がなければ人は数分と持たずに生命を維持出来なくなる。食事よりも人は水を飲まなければ生命の維持が出来ない。水は目に見える。

ところが地球の水の大半は海水だ。海水を飲んでも人は生命を維持することは出来ない。海水が蒸発して雲となり、やがて雨となって地上に降り注ぐ。降り注いだ雨水は見えない不思議な力で真水となって人の生命を支える。海水が真水に変わるには一度姿を消して、上空に上がり再び雲になる必要があるのだ。

地球の生命とは見えない不思議な力によって支えられ生かされている。人の身体も目には見えない不思議なエネルギーによって生命を維持している。人体のエネルギーの不思議な流れが筋。何か似たような話を聞いたことがある人もいると思うのです。これは大陸の氣の概念ととてもよく似ているのです。ここからは僕の妄想で暴走です(笑)。



かつての日本は大陸から文化や文明を学んで発達してきた。武術に関しても大陸の影響がたくさんある。源流である大陸の武術の基本は「氣」という概念。大陸の武術を学び鍛錬をしていた人がある日気がついたような気がする。それは氣の鍛錬をすると動く場所があるということ。日本人の繊細な身体感覚が氣という捕らえどころの無い存在を具体的に身体で感じたのだ。


僕は太氣拳で氣という存在を学び、日々鍛錬をした。大陸に源流を持つ太氣拳には筋という概念は存在しない。大陸の人々と同じようなやり方で目には見えない氣という存在を感じ、探すのが日々の鍛錬。柳生心眼流で筋という概念を知り、心眼流の鍛錬を繰り返すうちに僕は気がついた。氣とは筋を流れる見えないエネルギーではないのかと。かつての日本の武術家が感じたのと同じ感覚が僕の元に時空を超えてやって来たのだ。


そのことを島津先生に尋ねてみると、笑いながら教えてくれた。「そうだよ、よく出て来ましたね」と。歴史のある武術を学ぶと時空を超えた感覚の出会いがあるようだ。その際は師匠に聞けば良いのだ、自分が正しいのか、間違っているのかを。歴史の積み重ねがあってこそ武術は正しい道を歩むことが出来る。日本武術は見えないエネルギーが動く道を具体的に手にしたのだ。


大陸の武術はおおよその流れるポイントまでは見つけていた。それがツボ、経絡といった概念なのだと僕は思ったりする。日本語の合気と気合とは、古流武術を学べば目に見えない不思議な存在ではなくなる。筋という概念に従って鍛錬を重ねれば極めて具体的な存在となる。柳生心眼流には柳の合気と松風の気合という極めて具体的な術がある。合気道よりも遥かに昔から存在したのが柔術。合気道の名称に柔術が関与したことはきっと間違いないだろう。合気と気合に関しては別の機会に詳しく書こうと思います。



 

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