00a7cbbe8a81b85bc9784f88cfa175448c5b63ac
3b6505e837bff3c95610e85b18e319fb3c252ad1

序章 「武術」と「武道」の違いを知ってますか……?(前半)

世の中の出来事は、実は見る人によって受け取り方が違う。たとえ同じものを同じ時間に同じ場所で見たとしても、その人たちの感想は決して同じではない。同じ映画を同じ映画館で一緒に見たとしても感想はそれぞれに違う。それぞれが見た映画の感想を人に伝える。それを聞いた人がまた他の人に語る。たった一つの映画は語られた数だけ、それぞれの映画の感想となり変化してゆく。

現代に語られている過去の出来事とは、全てがそのようになっている。これから僕が書いていく文章も同じ。しかも僕はとてつもなく適当なので(笑)、見聞きした武術の内容の真意は定かじゃない。それでもこれから書く内容は僕が実際に見たり聞いたりした真実。まあ、僕の真実は案外怪しいけれども……(笑)。

もともと僕は人を喜ばせるのが好き。格闘技のプロの時代から、いや子供の頃からそうだった。だからこれから書く文章は怪しく面白く、ついつい書いてしまうかもしれない妄想が暴走する文章。どこまで真実なのか実は僕にも分からない。過去の出来事の真実なんて本当は誰にも分かりはしないのだ。同じ時間に同じ場所で立ち会ったとしても感じ方は人それぞれだから。それが過去の記憶に関する話だったら同じ内容の訳がない。

過去の記録とは伝言ゲームみたいなものでもある。人は過去に学び、今を生き、未来へ想いを馳せる。過去とは現在と未来を繋ぐのにとても役に立つツール。だから人は過去に学ぶ。武術を学ぶとは過去に学ぶことだったりする。過去に生きた武術のご先祖様が感じた感覚と同じものを感じる。それが武術の学び。

武術を学ぶと時空を超えると言われている。何も本当に時空を超える訳じゃない。武術のご先祖様が同じ技や型をやった時に感じた身体の感覚、心の感じ。それと同じことを感じたりする。武術の学びが進めば必ずそうなる。その時には自分の身体の内側に武術のご先祖様を感じたりする。伝統あるものを学ぶ者にはこんなことが本当に起こる。学びが進み自分の心と体が踊りだすように動く際には、自分の後ろでご先祖様も一緒に見つめていてくれる。僕はこんなことを感じたりする。まあ、妄想で暴走です(笑)。