第40回 あなたは絶叫が流儀の大人の隠れ家を知っているか?
私レベルの大人になると一人静かに酒を嗜む時間が非常に大事である。一日を振り返り、未来について思いを馳せる…そんなゆるやかに流れる時間だ。そこで求められるのが「大人の隠れ家」。しかし昨今は積極的なサービスが素晴らしいという空気が列島を支配しており大人の隠れ家は滅亡の危機にあるようだ。
具体的に私怨をまじえて申し上げるならば、大人の隠れ家の流儀がなっていない店が増えた。威勢のいい接客が良いサービスだと勘違いしている店が多いのである。出張先で立ち寄った店がまさにそれで、店員の「っらっしゃいませー!」「あーしたー!」という絶叫が私の大人の時間を滅亡させた。私も野暮ではない。何もラーメン屋や居酒屋で「っらっしゃいませー!」絶叫を即時やめろなどとクレーマーまがいのことを言ったりはしない。だが、カウンター席のみの小さな、マイルス・デイビスのカインドオブブルーが流れる酒場で「あーしたー!」はないだろう。「あーしたー!」より私は明日について考えたい。
ここから先は有料になります
チャンネルに入会して購読する
月額:¥550 (税込)
- チャンネルに入会すると、チャンネル内の全ての記事が購読できます。
- 入会者特典:月額会員のみが当月に発行された記事を先行して読めます。
ニコニコポイントで購入する
- この記事は月額会員限定の記事です。都度購入はできません。