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【1993 〜日本格闘技近現代史〜】 第23回 柔術の仕組みが見えて来た。

2013/10/24 18:42 投稿

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第23回 柔術の仕組みが見えて来た。

ベッドに腰掛けてボヤーっと考える。部屋にはテレビもないからやることがない。考える時間が日本とは比べものにならないくらいたくさんある。あの時起きた不思議な出来事の意味が、今なら分かる。

日本武術には夢想拳(むそうけん)という教えがある。何かを得る時には夢に映像が出て来る。文字にすると不思議な話。ところが脳科学でもこれと同じことが言われている。人は起きている時に途方も無い情報を得ている。それを寝ている時に整理をする。

途方も無い情報が整理された時に答えがパッと浮かんできたりする。それには一度情報を閉ざすことが必要になる。情報の入力を遮断するには眠ってる状態がとても適している。ノーベル賞を受賞するような発明家や偉大な音楽家、小説家たちには夢でヒントが出て来たとか、突然不思議な絵が出て来て教えてくれたとかいう逸話が多い。それは脳科学で言えば当たり前のことだったりもする。

途方も無い程の情報を頭に入れて考え抜く。その情報が勝手に整理されて答えが出て来た時に、人智を超えた発明や音楽や小説がやってくる。そこまでのレベルではないけど、僕はずーっと柔術を考え抜いた。デンバーからずっと考え抜いて、出来る限りの情報も集めた。サンフランシスコにやって来て、カーリーと一緒に過ごすと、完全に日常が柔術だけになった。そして初めての休日を過ごして一度頭の中が整理され、それまでの情報が整理整頓された。

カーリーと別れてホテルに戻り、一人でベッドに腰掛けてたら映像が見えて来た。スパーリングをやってる僕の映像が浮かんで来たのだ。僕は上になっていた。いつものように下からのプレッシャーがやって来る。この1週間僕を悩ませた映像。ところが映像の中では僕は悩んでなかったのだ。

相手が下からプレッシャーを与えてきたら、僕は付き合わないのだ。上から体重を乗せても相手には大した効果がない。膝を着いた上半身の重さと力は、下にいる相手の両脚の力には及ばないのだ。

それでも無理やり上から攻めれば、その動きを余裕で守る相手に隙を見つけられてしまう。見つかった隙を相手が上手に使えば、スイープで上下が入れ替わってしまう。自分がかけた体重で自分がやられてしまう。上からのプレッシャーが原因なのだ。

 

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