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【竹本幹男「カジノフォーリー・ビヨンド!」】 第2回 ミッキーのニューヨーク底抜け冒険視察(前半)

2013/06/21 23:25 投稿

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第2回 ミッキーのニューヨーク底抜け冒険視察(前半)

2003年12月末に、オレは交通事故の慰謝料1500万円を手にする。

でも、オレは2002年秋、保険屋との交渉中にもかかわらず、かなりの大金が入ると夢想して、前々から夢見ていた「ニューヨークでのエンターテインメント視察旅行」を金が入ることが確定していないにもかかわらず敢行してしまうのだ。底抜けのアホである。

なぜ「底抜けのアホ」かというと、オレが編集発行人だった初期『カジノフォーリー』3号(1984年12月発行)の巻末「編集長の毒舌断言ページ」で偉そうに、こんなことを書いているからである。

[現代日本は高度消費社会である。この高度消費社会のキーポイントは金とイメージ。より多く消費させるために、企業は宣伝費をガバトンとかけ広告及びパブ記事(記事のようにみせかけた広告。たとえば、アメリカ西海岸ブームやシルクロードなど)でイメージをたれ流す。そして、ありとあらゆるメディアによって、イメージは反復増幅されてゆく。そして、知らない間に毒された消費者はイメージにがんじがらみにされ、金、金、カネといった毎日を送らされるのである。イメージを現実化するために金が必要だからだ。
(中略)
高度消費社会、つまり今の日本では、油断をすれば無意識に己の生き方を奪いとられる怖い、コワイ世の中なのである。
育児を大切に扱わない女性達。仕事という名の自己束縛にマゾ的に縛りつけられている中年男達。有名企業というイメージで人生を売ってしまう若者達。みんな、みんな、ラクなエンジョイ人生を追求してしまっている。そして、「何か物足りないの」とのたまうのだ。
痛みのない人生に豊かさがあるわけがない。
病まない精神に、夢や哲学が生まれるわけがない。
こんな時代には痛みをもち、病んだ精神のネクラ人間こそが、豊かな人生を歩んでいくはずだ。
己の人生、ユメユメ他人や状況にゆだねちゃイカンぜよ!!]

自画自賛しちゃうけど、1984年の段階で、その後の30年の日本及び日本人を予測しているって凄いじゃあーりませんか!(最後のネクラ人間をオタク人間に変えれば完璧じゃん)

しかーし!

こんなことを書いていながら、オレは1500万円というハシタ金が入るとなると、あれほど唾棄していた一般アホピープルとなーんも変わらず、もっと「お馬鹿ちゃん」だったのを最近は痛感しちゃうのであります(この辺の話はまた今度)。

2002年11月、オレはニューヨークに1か月近く滞在した。
まだ1500万円は入金されていないので、その入金をあてにしてのカード借金での旅行だった。
オレはふだんからドヤ顔のせいか、「大胆」で「恥知らず」な男と思われがちだが、実は「ナイーブ」で「小心」でお酒もそれほど強くない。まあ平たく言えば「ビビリ屋」なんす。トホホ。

そんなわけで、事前準備には我ながら力をいれた。
まず、1年前から「英会話」の勉強。
旅立つ2週間前には知り合いの英会話学校で猛特訓。その学校の米人校長先生に「英会話の実力は5段階の最低ラインだけど、積極的でコミュニケーション能力が高いので大丈夫だよ」といわれて自信をつけた。
また、知り合いのすべての人に声をかけ、ニューヨーク在住の友人を紹介してもらった。結局、二人をゲット。一人は、英会話の校長の旧友のボブ夫妻。もう一人は、旦那が米人のキャリアウーマンの人妻。この二人を紹介してもらったことは大いに役立った。

 

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