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【1993 〜日本格闘技近現代史〜】 第5回 グレイシー柔術(バーリ・トゥード)放浪記 その2

2013/06/20 17:13 投稿

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  • 1993〜日本格闘技近現代史〜
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ファビオ・サントス……20 年くらい前に会った時の記憶だから、多少の間違いはあるかもしれない。何でも彼はホイスが最後に負けた相手だという。ブラジルでは有名な強い選手だとも言われていた。もっともブラジル人は自画自賛が大好きだから(笑)、僕の記憶と同じくらい真相は定かじゃないかもしれないが……(笑)。

ファビオは陽気な感じで僕たちに話しかけてきた。とてつもなくフレンドリーな感じで話が止まらない。別に大そうな話題が出たわけじゃない。内容はいたって普通の会話。「ロスは初めてかい?」とか「ロスはどうだ?」とか。ホント大した会話じゃない。大したもんだは、ファビオの陽気さだった。やたらと身振り手振りを交えながらの大げさな話が続く。永遠にそれが続いても困るので、僕たちは移動した。するとファビオも一緒に付いてきた。どうやらファビオがグレイシー柔術を教えてくれるらしい。僕と西さんはロッカールームに案内されて着替えをした。ロッカールームに入る前にファビオは向こうへ行った。その向こう側にはホリオンがいたのだ。

着替えてから、マットのあるスペースに移動する。ファビオが陽気に話しながらテクニックを教えてくれる。まずは“スタンドアップ”と彼らが呼んでいるテクニック。彼らのいうスタンドアップとは護身術のことだ。

襲い掛かられてヘッドロックされたらどうする? 襲ってくる相手がやってくるのはグラップリングだけじゃない。相手が片手でヘッドロックして、そのままあいているほうの拳で殴ってくる。通常の格闘技の試合では見られないような状況だ。ところが確かに町の喧嘩とかだったら、よくある感じの状況ともいえる。町の喧嘩で素人同士がもつれ合って、どちらかがヘッドロックをかけることはよくあったりする。素人喧嘩は打撃とかあんまり出ないし、そんなに威力もない。だから喧嘩はもつれ合いになる。もつれたら格闘技を知らなければヘッドロックになったりする。その状態で殴られるのは、考えてみればありそうな状況だ。

 

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