イズムを捨てて生きるにはどうすればいいか? あるいは、イズムと反対の生き方とはどういうものか?
実は、それを表現する言葉はいくつもある。虚心坦懐、是々非々、現実主義的。どれも「理想に囚われない」という意味である。「現実を見る」ということだ。見るだけではなく、受け止めることが重要である。もっというと、積極的に肯定することが必要だ。
勝間和代氏が「起きていることはすべて正しい」と言ったが、ぼくはそれくらいの心構えを持つ必要があると思う。例えば大災害が襲ってきて愛する人が突然亡くなったとしても、それを正しいと思える力――それがイズムを捨てるという生き方である。
こういう生き方は、現代人のほとんどができないだろう。しかしかつてはできていた。なぜなら、かつては死が間近にあったからだ。多くの人が不条理な形で死んだ。そういう社会では、いちいち現実を否定していては身が持たない。勢い、現実主義的にならざるを
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