偽物の個人時代:その14(1,702字)
これからの10年で、「偽物の個人社会」は暴走する。いや、その暴走はすでに始まっているといっていい。
では、「暴走」とは具体的にどのような事象を指すのか?
ぼくは、それが端的にあらわれているものに「婚活」があると考えている。また、その先の「家」さらに「子育て」が暴走している。つまり、夫婦や家族を巡る状況が、混沌とし、混乱をきたしているのだ。
おそらく、偽物の個人時代において、あるいは本物の個人時代においても、最大の懸案となるのは「家族」だろう。家族の扱いをどうするのか――というのが問われざるをえないのだ。
そして、偽物の個人時代と本物の個人時代の違いは、「偽物」の方が古い家族観を引きずっているのに対し、「本物」の方は新しい家族観を構築しているということである。その意味で、新しい家族観の構築こそが、本物の個人社会の到来に欠かせない要件ということになるだろう。
ただ、いずれにしろそれはまだ先の話
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