ここまで禁欲とアートとの密接な相関関係について見てきた。すなわち、禁欲的になればなるほど、創作する作品のアートとしての価値も高まるのだ。
ところで、オタク文化は禁欲と分かちがたく結びついている。なぜなら、ほとんどのオタクは他者と性愛関係を上手く取り結べないため、図らずも禁欲生活を余儀なくされているからだ。そのため、全体的にアートの機運が高い。
それは、鑑賞者がまずそうだが、表現者もそうである。オタクコンテンツの制作者も、モテない人間が多く、禁欲的な生活を余儀なくされている。そうして、憤懣をこの上なく溜めている。
それがコンテンツ制作に向けられたとき、偉大なアートになる。特に、アニメにそういう傾向が強いのではないだろうか。
これは、鶏が先か卵が先かというのは難しいところだが、宮崎駿監督の影響は大きいだろう。宮崎監督は、モテなかった。だから、アニメをアートにまで進化させた。
もちろん宮崎駿監督
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