人間には好奇心がある。

好奇心がどのようなメカニズムで発生するのか――ぼくはまだよく知らないが、しかしそれはほとんど脳内にプログラムされているといってよい。まだ物心がついていない幼児にも、好奇心はある。いや、彼らは「好奇心の塊」とさえ言っていい。言葉さえ喋れないうちから、人は好奇心の虜なのだ。

その意味で、好奇心はほとんど人間の「欲望」とさえだろう。よく「三代欲求」などといって、食事・睡眠・セックスは本能的に求めるものと定義されるが、これに好奇心を加えてもいいくらいだ。好奇心を、「第四の根源的欲求」ということもできるだろう。

幼児の本能的な好奇心を証明するのに、格好の存在がある。それは「ボタン」である。あるいはスイッチだ。幼児はこれが大好きなのだ。

幼児は、ボタンを見ると押下する。もちろん、そこには「大人の真似をしている」という要素もあるが、それ以上に大きいのは、ボタンを押すことによって何