ニンテンドーDSは史上最も売れたゲーム機になった。
なぜか?
結論からいうと、そこには余計なものがゴテゴテとついていたからだ。「引き算」ではなく「足し算」の製品だった。それは、工業製品のセオリーを覆す、全く特殊な事例であった。
普通、製品のデザインは「足し算」ではなく「引き算」にしろといわれる。「足し算」の典型が「ガラケー」で、「引き算」の典型が「iPhone」だ。
ガラケーとiPhone、どっちが売れたかは言うまでもないだろう。人は「引き算」のデザインを求めるという不文律がある。つまり、「あれもこれもできる」のは敬遠され、「機能を特化させた研ぎ澄まされたもの」を求める傾向にある。
しかしながら、「ゲーム機」だけは違うのだ。なぜかといえば、それはゲーム機そのものが「完結」した製品ではなく、「不完全」な製品だからだ。完結するためにはソフトやユーザーに加え、ユーザーの習熟や創意工夫まで必要にな
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