台獣物語56(最終回)(3,603字)
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ぼくらは、冬休みを利用してもう一度クリヤビトの村を訪ねることにした。本当は、高校受験があるので他の何かをしている場合ではなかったのだが、しかしぼくはいてもたってもいられなくなり、それを確かめないと受験勉強も手につかない有様だった。
それで、エミ子を誘ってもう一度クリヤビトの村を訪れることにしたのだ。本当は、自分一人で行った方が良かったのかもしれないが、このことはできればエミ子とも共有しておきたかった。だから、もし彼女が断ったら無理にとは思わなかったが、念のため誘ってみたのだ。
そうしたところ、彼女は一も二もなく同行することを承諾してくれた。もしかしたら、彼女の中でも何か引っかかっていたのかもしれない。それで、ぼくらは終業式の次の日に、早速クリヤビトの村を目指して旅立った。
今度も、バスで獣道との境界まで行き、秘密のルートを使って獣道を超え、そこからは徒歩でクリヤビトの村を目指
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