56
ぼくらは、冬休みを利用してもう一度クリヤビトの村を訪ねることにした。本当は、高校受験があるので他の何かをしている場合ではなかったのだが、しかしぼくはいてもたってもいられなくなり、それを確かめないと受験勉強も手につかない有様だった。
それで、エミ子を誘ってもう一度クリヤビトの村を訪れることにしたのだ。本当は、自分一人で行った方が良かったのかもしれないが、このことはできればエミ子とも共有しておきたかった。だから、もし彼女が断ったら無理にとは思わなかったが、念のため誘ってみたのだ。
そうしたところ、彼女は一も二もなく同行することを承諾してくれた。もしかしたら、彼女の中でも何か引っかかっていたのかもしれない。それで、ぼくらは終業式の次の日に、早速クリヤビトの村を目指して旅立った。
今度も、バスで獣道との境界まで行き、秘密のルートを使って獣道を超え、そこからは徒歩でクリヤビトの村を目指
ここから先は有料になります
ニコニコポイントで購入する
チャンネルに入会して購読する
- この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。