法律というのは、昔はそれほど重要なものではなかった。昔はそれほど守る人がいなかった。むしろ破る人の方が多かった。

一例を挙げれば、道交法などというものがある。昔は、これを守っている人の方が少なかった。
なぜなら、道交法は道路の実情とはかけ離れているものが多かったからだ。例えば速度規制というものがあるが、これはほとんど戦前に作られた。しかし、戦前の車と今の車とでは性能が全く違う。戦前の車の出す40キロと今の車の出す40キロとでは天と地ほどの差がある。
具体的にいうと、昔の性能の悪い車で出す40キロはずいぶんとスピード感があった。だから40キロでも危険を伴ったが、今の車で出す40キロはほとんど徐行しているようにしか感じられないから危険も大きく減少した。

しかしながら、法律は相も変わらず40キロのままなので、それを破る人が多くなったのである。
そういうこともあって、多くの人が「法律は必ずしも守ら