
台獣物語42(2,558字)
42
「これはね、お父さんが言っていたらしんだけど」
「うん」
「科学というものも、色々研究が進んでいくと、そのたびに、新たに『分からないもの』が生まれてくるんだって」
「分からないもの?」
「うん――例えば、ある謎を研究していてそれを解明すると、また新たな謎が出てくるって」
「ふむ」
「それはまるで、ウィルスの抗体を発明するとまた新たなウィルスが出てくるようなものだって。それとよく似てるって」
「なるほど」
「でね、台獣というのは、この新種のウィルスみたいなもんじゃないかって」
「えっ?」
「というのも、人間というのはこの地球上のことや、そこで暮らす生き物なんかは、あらかた研究し尽くしちゃったらしいの」
「ふむ」
「だいたい、世界中でまだ人間が行ったことのない場所なんて、もうないでしょ?」
「確かに……南極もエベレストもマリアナ海溝も、20世紀で行き尽くしたからね」
「うん。だから台獣は
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