今週は2歳王者を決める朝日杯FS(G1、芝1600メートル、20日=阪神)が行われる。
今年はキングカメハメハ産駒が2歳“キング”を奪取するか。2歳牡牝G1がともに阪神芝1600メートルとなった昨年は、ディープインパクト産駒が連勝を果たしたが、今年の朝日杯FSには同産駒が不在。代わって浮上するのはキンカメ産駒だ。今年のJRA全レースの勝利数ではディープを抑えて1位。阪神芝ではディープに次ぐ2位。中山施行を含めた朝日杯とも、過去10年で【1 2 0 4】と好相性で、複勝圏内馬3頭はディープと並んで最多タイだ。
厩舎から運動に向かうエアスピネル(撮影・奥田泰也)
キンカメ産駒はこれまでJRA通算1298勝。距離不問、しかも芝、ダート兼用の万能型として勝ち星を量産してきた。現役時代を管理した松田国師は産駒の特徴をこう分析する。
松田国師 馬のベースが自然体でしっかりしている。キングカメハメハ自体がマイルをこなせるスピードを持っていたし、(良発表でも)馬場の重かったダービーを2分23秒3のレコード(当時)で走れるパワーもあった。産駒も競走能力が高い馬が多いですね。
産駒の基本性能が高く、ひと言で言えば「弱点が少ない」(同師)。すべてが平均以上だから毎年リーディング争いができるのだ。
今年は2頭が出走する。4頭のキンシャサノキセキ産駒、3頭のダイワメジャー産駒に数では及ばないが、2戦2勝馬エアスピネル、1戦1勝馬リオンディーズとともに無敗馬だ。特にスピネルは、やや重のデイリー杯2歳Sを圧勝するなどスピードとパワーを兼備。父の特徴を色濃く受け継ぐ。笹田助手は「入厩時から馬体もあか抜けていた。現時点の完成度はいちばんだと思う」と話す。09年ローズキングダム以来となるキンカメ産駒の2歳王者が今年は誕生するか。【松田直樹】
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