師走に入り、名門角居厩舎が勢いづいている。サンビスタでチャンピオンズCを勝ってG1制覇を果たし、翌週はフルーキーでチャレンジCを勝利。ミルコ・デムーロとのコンビで2週連続重賞勝利中だ。そして朝日杯FS(G1、芝1600メートル、20日=阪神)でも、イタリア生まれの名手とともにG1制覇を狙う。送り出すのは厩舎ゆかりの良血リオンディーズ(牡)だ。
調整を終え引き揚げるリオンディーズ(撮影・奥田泰也)
全休日明けの朝、たくましい黒鹿毛は少しハードに栗東坂路を駆け上がった。ゆったりとしたキャンターから徐々にペースを上げ最後は14秒6-15秒0。新馬戦を快勝後「動きが大きくなった」と角居師はいう。
母のシーザリオは日本のオークスとアメリカンオークスを連勝した名牝で、半兄のエピファネイアは菊花賞とジャパンCを圧勝。父はキングカメハメハだけに現役屈指の良血馬と言える。だが、課題も多い。「現時点では兄と比べてトモに緩さが残っている」と母や兄を担当した鈴木助手はいう。それでも新馬戦を楽勝したあたりが素質の高さ。「雰囲気はあるし力強さはなかなかのもの。兄より気持ちの切り替えもしっかりとしている」と評する。
今回は前走より400メートル距離が短縮され、G1だけに一気にレースの流れは速くなる。状況は厳しいが「周りが速い方が競馬を覚えやすい」(同助手)と将来も見据えての参戦だ。
グレード制導入後、キャリア1戦で朝日杯FSを勝った馬はいない。だが、もしかしてと思わせるものが、リオンディーズとミルコ・デムーロのコンビにはある。【岡本光男】
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