今週のお題…………「3・25巌流島で見てみたい試合!」

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文◎谷川貞治(『巌流島』広報部長)……………月曜日担当



いよいよ3月25日(金)にTDCホールで再出発する『巌流島』の2016年シリーズ。今週のお題は、その3・25大会で「どんな試合を見たいか?」にしたいと思います。

まず、その大前提として、『巌流島』のマッチメイクの難しさについてご説明したいと思います。普通K-1やMMAの大会を開く場合、テーマに沿って、目玉となる誰もが知っている有名ファイターを選び、その選手が誰と闘ったらいいかを考えるところから始まります。ビックイベントになると、それが何試合も重なり、引きとなる目玉カードだけではなく、通も唸るようなマッチメイク、まさかこんなカードが実現するというサプライズを期待してカードを組むものなのです。

その場合、そういうプロの選手を育成している世界中のジムの会長やプロモーターに連絡します。近年では、マネージャーが間に入ることも当たり前になってきました。プロモーターたちは何回も付き合いが重なると、こちらの要求する選手のカラーも理解するようになり、「あ・うん」の呼吸で選手が決まったりします。そういう意味では、ターゲットとなる選手も、交渉相手もはっきりしているので、あとは我々プロモーターのセンスと交渉力の問題、一番はファイトマネー次第なので、構造的には極めてシンプルです。要するに、オファーする選手も、それを「待っている」側と交渉しているので、それほど難しいことではありません。今更ながら、K-1プロデューサー時代は、マッチメイクを組むのに恵まれていたんだなと感じます。

しかし、『巌流島』はコンセプトから、ルールを理解させるのに一苦労。しかも、こちらが希望する選手は、試合に出ることすら「待っていない」人たちが多いのです。1月21日(木)に行われたニコ生の『激論! 巌流島魂』で、「公開マッチメイク会議」を行ったのですが、そこで出てきた意見は、セネガル相撲やクラブマガ、ミャンマーラウェイ、長拳、蟷螂拳といった未知の格闘技同士の異種格闘技戦が見たいというような、本当に試合に出てくるのかどうかも分からない人たちの話題ばかり。そういう選手は、誰に連絡をとっていいかも分からないので非常に苦労します。なにせ、達人を探せという声も多いんですから。

あるいは立ち技で、素手でパンチ、キック、ヒジ、ヒザだけでなく、頭突き、投げ、立ち関節、金的蹴りありと、噛みつき以外は何でも認められているミャンマーラウェイ・ルールで闘う試合をそのまま見せてほしいとか、あるいはロシアで行われている5対5の集団MMAマッチ、甲冑をつけてガチで闘う功朗法など、複数戦までやってみようかという議論に発展しました。

まさに『グラップラー刃牙』や『餓狼伝』の世界。これを実験試合として行い、公開検証しようというのが『巌流島』なのです。今までの格闘技に比べて、常識破りのことをやりながら格闘技の復興を目指す。私は皆さんのこうした要望に対し、今までの経験と人脈を生かしながら必死に実現することを目指していく。私も格闘技に携わって長いんですが、中国武術や古流武術と、知らない世界も多く、非常に新鮮でやり甲斐もあります。

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さて、第1回大会でもどうしても「セネガル相撲」を呼びたかった私は、セネガル相撲の協会に連絡。しかし、日本の相撲協会に「異種格闘技戦を日本でやりませんか?」と言った場合と同じように「アンタ、何考えてるの?」と、あえなく断られてしまいました。それでも、あきらめずにいろいろ探っていたところ、日本で働いているセネガル人と出会い、彼を通じて遂に選手を発掘。それがアブドゥール・ニャンという誰が見ても弱そうな選手で、セネガル相撲の価値を落としてしまう大失敗をしてしまったのです。これは私も、さすがに焦りすぎましたね。このように、『巌流島』の未知の強豪を発掘するのは、とても難しく、試合として成立しないことだってあり得るのです。

でも、あきらめたくない。そこで、僕は知り合いのアフリカ人のことを思い出しました。そうだ!  ボビー・オロゴンに聞いてみよう!  さっそくボビーに頼んだところ「いいよ。協力するよ。オレも谷川さんと格闘技には復活してほしいからさ」と快く返事。すぐにアフリカの友人に連絡をとってもらい、凄い選手の写真を送ってきました。「これが一番強いらしいよ」。「これはスゲェ!  ぜひぜひ呼んで」。ホビーとは、そんな会話が繰り広げられたのです。

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果たして、ボビーが本当に呼べるのかは、まだ分かりません。



[お知らせ]
『巌流島』のオフィシャルサイトをリニューアル致しました。アドレスが変わりましたので、ご確認ください。→  ganryujima.jp