ミュージカル「ローマの休日」ある日のマチネを観た。
加藤和樹くんが、一段、演技の階段上がった、すばらしかった。はっきり分かった。自然体、リラックスしてる、体にリキミがない、アン王女を優しく見守る感あふれていた。
もともと和樹は心優しい人、伊達孝時くん、鎌苅健太くんとガラスの心持った友人たちを励まし、見守り、いつも背中押している。ミュキャスの〇〇〇君はこの世界から消えたけどずいぶん面倒見てた。
そうした彼の本来の人間性に重なる部分があったからリラックスしたのか、演出家の山田和也さんの役者が出すものが演出の方法に合致してくるまで出てくるのを待つスタイルが気持ちよかったのか、何にしても舞台上の和樹はとても静かで自然で素敵な男前に見えた。
アン王女への愛情を包み隠し見せないでいる優しさもよく分かった、その態度も好感持てて、言うことなかった。
太田基裕くんの帝劇初出演、どんなに緊張してるかなと構えて観に行った。リラックスしているように見えた。
今回のような役どころは今まであまりなかったような気がする。いつもの好青年、きりっとしていてニコニコしていて、彼の優しい笑顔を見せてくれれば役どころは成立する、みたいなところから、よくここまで、逞し気なカメラマンになり切ったね、と嬉しかった。身体の動きを大きくしてカメラマンの繊細には見えないが親しみのある性格を見せたかったのだろう、それは出来てた。でも、どこか僕のイメージの太田くんからは、無理してるんじゃないか、努力してるんじゃないか、と心配になってしまう。
これは僕の脳内にもっくんのいつもの人懐っこい笑顔が刷り込まれているからかもしれない。
ふつうにみれば成り立っていると思う。
岡田亮輔くんがいい味出してた。
元々、身軽な演技が持ち味、めったな事では感情爆発しないよくできた人なので、はさみ持たせたらアブナイなんて露ほども心配することはない。
そこをうまく捕まえた山田さんの演出がハマった。全編を通してチョッキンの歌が一番耳に残る、と一緒に行った人と盛り上がった。
岡田くんにはどうも採点が甘くなる、だって彼のお母さんは10代のころの僕の理想形の健康美女だったから。
それとは別にかっこよかった。
一つ悲しかったのは、アン王女、お姫様に見えなかった。
無理もないかもしれない。僕の観た映画の中でもベストテンに入り、生涯の憧れ女優ベスト5に入るオードリーヘップバーンのイメージが頭にあってそこと比較されるのだから、演ずる人はたまったものではないだろう。
でも、そのハンデキャップを考慮に入れても残念としか言いようがない。
コロナ禍で楽屋へは入れない、やや物足りない。
で、隣の東京会館でケーキ買って、ワイフに「ローマの休日」の話をしながらお茶してみよう、と帰宅の途についた。
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