2014/01/03
1:04 pm
井岡一翔選手対フェリックス・アルバラード(24=ニカラグア)選手、
大晦日のWBA世界ライトフライ級の試合が素晴らしかった。
強い相手だったのだろう。
18戦無敗と言うのはまやかしではなかったように思う。
倒されなかったし、最後までファイティングスピリットを失わず
打ち合いに徹した相手はほめられて良いと思う。
ボクシングで防御の技術って見落とされがちなのかなと思うのだが、
井岡選手のそこが素晴らしかった。
何しろ相手の選手のパンチが当たらないのだから。
12Rまで接近戦で激しく打ち合って相手のパンチを食らわないって、
どんな技術なんだろう。
スピードの差なのか、目の確かさなのか、反射の早さなのか。
アッパーカットが来ると見えた瞬間にウィ-ビングして
目の前ほんの数センチをそのパンチが通り過ぎる、
その直後の瞬間に右フックで相手のこめかみをとらえる
って場面を何度も観た。
ジャブも時々当たってたけど、
それはそれでこういうジャブもあるよって挨拶みたいなもので、
相手は嫌がってたけど、
そこは主戦場ではなかったように見えた。
なぜなら、ジャブの主な効果の出足を止めるってことが
作戦としてこの相手には要らないと判断したのだろうと思う。
ジャブでは止まらない相手の圧力を、
もろの打ち合いで正面切って闘って、
仕留めると判断したように思える、
だからジャブではなく、
左のボディブローがジャブ代わりになっていたように見えた。
ボディは相手は打たれるたびにほんのちょっとだけど顔が歪んでいた。
嫌だったんだろうな。
でもクリーンヒットはこめかみに、あごに、鼻面に綺麗に決まっていた。
これは食らった相手がなんでこんなパンチを食らうのか
俺、分からないよう、困ったよう、
でも俺のボクシング前に出て打ち合うしか知らないんだよう、
でもなんで俺のパンチ相手に当たらないんだろうな、
それにしても良くパンチ食らうな今日は、
パンチを避けるそんな技術的なことことなんて考えたこともなかったんだよう、
とでも言いたげな、やや悲しげと思われる表情が、
失礼ながら、後半の回ぐらいからはかわいそうに見えてきた。
24歳と同じ年齢ながら、
きちんと正統派ボクシングを勉強してきた井岡選手のまじめなボクシングの価値が
際立って貴重に見えた。
こういう試合を観るとやはりボクシングは
スポーツだし、
娯楽だし、
観終わってカタルシスあるし、
才能に練習が加わった無敵さを観て
人生どうやって過ごすかって大事だなって感じさせてくれた。
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