2010/05/09
12:15 pm
昨日、シアターサンモールで「ココロ」を観て来た。
ボーカロイドの舞台化だった。すごく良かった。
舞台が終わり暗転になった時、
ボカロ曲「ココロ」を聴いた時に感じた感覚と同じ気分、
心の中にやや悲しくだけど温かい空気がひそかにやってきた。
客席にも舞台上にも同じ空気がほっこりと漂っていた。
こういう舞台に出会えるということがとてもうれしい。
演出家にセンスがあるとここまで上品でおかしくて悲しくて、
しかも未来に向かって前向きになれる舞台が出来上がる。
演出だけでなく、音楽も響きのよいメロディを抑制のきいた使い方で気持ちよかったし、
照明も狭い舞台にも関わらず場面の変化をきちんとあらわしていた。
特に舞台美術がロボットの心の変化に対応するように作られていて、すごいなと感心した。
舞台上のあらゆる事柄に、
プランナーととことん打ち合わせしたのだろう演出家の気配りの目線が届いていた。
ロボットに心を作ると言う夢は、アシモフの時代からの大きなテーマだ。
それをいま改めて取り上げてしかも新しい感覚を生み出す、
と言うのは相当高いハードルへの挑戦に見える。
それを01から02に世代を超えて引き継がれるというアイディアで乗り越え、
感覚的な新しさと物悲しさを生み出している。
アニメで新海誠の「ほしのこえ」を初めて観た時のような、
タルコフスキー映画の「惑星ソラリス」を観て客席から立ち上がれなかった時のような感じがした。
こういう舞台を世の中に押し出す発想を持ち、
そのことに力を出し合ったすべての人たちに感謝したい、素晴らしい。
まだ今日の千秋楽には間に合うので、チケットがあるかどうかわからないけど、ぜひ観てほしい。
コメント
コメントを書く